運よく遺跡の最下層にたどり着いた、とあるハンターズのメンバーは、 惑星ラグオルで起こったすべての事件の元凶・ダークファルスと 長く果てしない戦いを続けていた。
「ぐはっ、イテェじゃねぇかこんにゃろ〜。 よくもやりやがったな。オマエなんかこうしてくれる! ていっ、ていっ、ていっ!」 「なんであんたみたいなバケモノが ナマイキにもそんなおしゃれなリングはめてんのよぅ! これでも食らって反省しなさ〜〜〜い!」
飛び交う銃弾とテクニック、そしてさりげなく身勝手な私情の雨 あられがダークファルスに降り注ぐ。 しかし敵は倒しても倒しても、昆虫が脱皮して成長を遂げるよう に、さらなる変身をして蘇ってくるのだった。
「だぁぁぁ。マトリョーシカ人形かおめえはよぅ!」 「いや、きっとサナギマンに違いな。。。げふげふ」
そして第3段階目のダークファルスを倒したとき、また中から何 かが飛び出してきた。
よくみると、人間っぽく見えないこともなかったが。。。 もっとよく見てみると、噂に聞くハデ好きで有名な凄腕ハンター 赤い輪のリコの特徴に限りなく似ていなくもなかったが。。。
「うおっ、気をつけろ。また何か出てきやがった!」 「撃て撃て〜、全弾撃ちまくれ〜」 「ちょっとぉ、左舷弾幕うすいよ。なにやってんの!?」
飛び出してきたものは、ハンター達から無数の銃弾とテクニック の嵐を浴びながら、およそ10階建てマンションの屋上ほどの高 さ(推定)からそのまま地面に落下して、ぴくりとも動かなくなっ ていた。
「やったか!?」 「ふぅ、どうにか片付いたみたいね」 「なんか最後のは拍子抜けだったな」 「おれさまに牙をむいたものは、みんなこうなるのだ。 はっはっはっは」
長い戦いが終わってすっかりくつろぐパーティ一同。 だが、苦労して倒したダークファルスをバックに記念写真を撮る ことにしたとき、ようやく事態の重さに気がついた。
「なあ、もしかして最後に飛び出してきたのって。。。」 「あ、あたしは悪くないわよ。 あんたが撃てっていったんだからねっ」 「やべえよ、これ。。。 おい、だれかムーンアトマイザー持ってないのかよ?」 「もうひとつも残ってねえ。 いや、仮に残ってたとしてもこの状態じゃあ。。。」
壊れてヒビの入った趣味の悪い赤いメガネと、ボロボロになった 赤い腕輪が転がっているのを見て、最後に飛び出してきたのが誰 だったのか、ようやく分かったのだ。 メンバー全員の背筋に冷たいものが走る。
そのとき背後の転送装置から、ひとつの人影が現れた。
「うおっ、びっくりさせやがって 誰だよいったい。。。って、はぅあっ! そ、総督っ。なぜこんなところまで!?」
しかし総督はその問いかけには何も答えようとせず、よろよろと 最愛の娘(だったもの)に近づき、がっくりとひざをついたかと思 うと、さめざめと泣き出した。
「うぅ、リコ……リコ、リコォォォォォォォォォォォォ!!!」
『やばい。。。』 微妙どころか今や豪快にずれた髪の毛(ヅラ確定)さえ一向に気に せずむせび泣く総督を見て、みんなそう思った。
最凶の敵ダークファルスにすら勇敢に立ち向かったハンター達も その防衛本能に従い一歩一歩あとずさる。 目指すはパイオニア2への転送装置だ。
あと10m、あと5m、あと3m。。。
「まて、きさまら!!」 「はっ、はいぃぃぃぃ〜〜〜〜〜!!」
惜しくもあと1mというところで硬直するパーティ一同。 やはり黙って見逃してもらえるほど、総督は甘くなかった。
「よくも、よくもわしの可愛いリコをこんな目に。。。」 「いや、違うッス、誤解ッス! おれ達なんにも悪いことしてないッス! なあ、みんな!?」 「そう、そうよ! みんなダークファルスが悪いのよ! あたしたちのせいじゃないわ!」
「やかましい! わしは監視装置で一部始終を見ておったのだ! ようやく解放されたリコを助けるどころか逆に攻撃を加え おまけに記念撮影などと。。。ふざけおって!!! きさまら全員、この場で成敗してくれるわっっっっっ!!!」
「いやあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜!!」
そして、うららかな昼下がりの美しいお花畑を背景に 四つの断末魔がこだました。。。
看護婦『……なんだかとってもひどい目にあったみたいですね。 二度とこんなことがないように、頑張ってくださいね?』
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