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Silent of Pioneer2
R・イングラム [HomePage] [Mail]
11/4(Mon) 16:01
R・イングラムでス。宣言通リ、小説を投稿したイと思いマスので、宜しけレバ御一読下サイ。


Silent of Pioneer2

#1 その名はサムス・アラン


「星が綺麗ね……」

 漆黒の宇宙に輝く、幾億の星々を見つめながら、一人の女が呟く。女は緑色のさらさらとした、美しい髪をたくし上げる。
 だが美しいのは頭髪だけでは無かった。英知と野生を兼ね備えた顔。その肢体も、眩しいまでのプロポーションだ。
 女ならば誰もがため息を付き、男ならば誰もが欲情するであろう、そんな女性だった。


 この物語と舞台となるのは、本星の疲弊により、全世界的移民を余儀なくされた人々が乗る、超巨大宇宙移民船「パイオニア2」。
 その先駆けとなる政府高官や、軍隊の多くが乗る「パイオニア1」が本星を出航し、長き旅路の末、人類の新たな緑の故郷となる原始惑星、「ラグオル」を発見し、移住のための開拓を進め七年の歳月が流れた。

 そして、ようやく生活環境が整ったラグオルに、本格的な移民船である、パイオニア2が到着しようとしていた。

 しかし……パイオニア2が、ラグオル上空に到達し、惑星本部と交信のためのビーム回線を開こうとした直後、原因不明の大規模爆発が、本部の地表周辺で起こった。

 この様な事態が起こるなどと、誰が予想しえようか。当然、本部との交信は途絶し、パイオニア2は未曾有の混乱に巻き込まれる。
 時の提督、タイレルは軍備の脆弱なパイオニア2で独自の捜査を開始するため、この時代、金銭によりあらゆる事件・問題を解決する人間、「ハンター」を統括する「ハンターズギルド」に、これを依頼した。

 かくして、パイオニア2に数多く乗船する、ハンターズはそれぞれの思惑のもと、ラグオルの調査を開始したのであった。
 ある者は金のため。ある者は自分が踏みしめる大地のため。そして、ある者は極秘裏の命令によって。

 その先に、何が待ち受けているとも知らずに……。


「星が綺麗ね……」

 女は再びつぶやく。彼女もまた、ハンターである。しかし、彼女には他のハンター達とは決定的に異なる役割を背負っていた。
 ハンターズギルドとは、また別に、特別な依頼により裏仕事をこなす闇の組織「タークス」。

 彼女はその組織の総元締め……つまりは、いわゆるボスであったのだ。

 普段は太陽の様に明るい笑顔と、ヒトなつこい声色が人気の彼女は、パイオニア2内・一般居住区酒場のマスターである。
 だが、一度依頼が舞い降りれば、いかなる内容であっても冷徹に遂行する豹に、早変わりする。
 ジャンヌ・アサシン――華麗なる暗殺者――、「サムス・アラン」。それが彼女の名だった……。


To be continue.



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