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- タークス小説第4弾「前書き」 - ウルフ [12/21(Sat) 5:21]
「ある男の転落」第1話 - ウルフ [12/21(Sat) 6:33]
「ある男の転落」第2話 - ウルフ [12/21(Sat) 8:41]
「ある男の転落」第3話(最終話) - ウルフ [12/21(Sat) 17:58]
後書き - ウルフ [12/21(Sat) 18:10]
Re:後書き - サムス・アラン [12/24(Tue) 1:06]



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タークス小説第4弾「前書き」
ウルフ [HomePage] [Mail]
12/21(Sat) 5:21
私が書くタークス小説も、第4弾になりました。
前回の番外編をはさんで、本編に参ります。

それでは、今回の登場人物です。
なお、今回は本編という事で、正式にラウドと
アルフリートに出演願っています。

サムス
レイマール
裏の仕事を行う会社、タークスの社長。
相変わらず、つかみ所の無い性格をしている。
どっちかと言うと美人。

ウルフ
ハニュエール
かなりイイ女だが、以外とモテない。
社長サムスの、秘書兼ボディーガード。
また、凄腕のハンターでもある。

イルル
ヒューマー
ウルフの事を「隊長」と呼び慕う。
今回は会話シーンだけだが、登場シーンが長いので
キャスティングに挙げた。

ラウド
ヒューマー
陽気な3枚目。性格は悪くないのだが、いつも損な
役回りをしている。
アルフリートと、よくつるんでいる。

アルフリート
ヒューマー。
厳格で真面目。結構美形。
ラウドとは腐れ縁で、彼の相棒も同然の関係。
いつも沢山の武器を持ち歩き、ラウドにあきれ
られている。

ジジ
フォニュエール
おっとりしているが、じっとしているのは嫌いらしい。
ポンポン大好きな女の子。
主にカジューシーズを愛用している。

今回のメインキャストは、以上です。
なお、いつもながら、出演キャラクターには、事前に
了解をとりつけており、取材も行っています。
それでも「違う!」と言う所がありましたら、遠慮なく
どうぞ。
あと、チョイ役や顔見せや名前程度で、少し他の方も登場
しますが、キャスティングには登らないので、それだけ
お断りいたしておきます。

毎度の事ながら、内容は随時修正して行きます。
一度読まれた方も、たまには読み直してみて下さいね。

それでは、以上で前書きは終わります。
引き続き、本編でお楽しみ下さい。
レスをつける


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「ある男の転落」第1話
ウルフ [HomePage] [Mail]
12/21(Sat) 6:33
ここは、「宇宙移民船・パイオニア2」内にある、
タークスという会社のビルである。
パイオニア2政府内部や、軍部で解決出来ない、または
厄介な仕事は、ハンターズギルドを通して、ほぼ、この
タークスに舞い込んで来る。
いや、正確には、社長のサムスが気まぐれで取ってくる
と言った方がいい。

さて、このタークスにおいて、現在、大イベントが開催
されていた。しかも2つも。
1つは、

「パイオニア2内・写真&人気コンテスト」(ちと苦しい

そして、

「タークス社内写真コンテスト」

である。
前述したパイオニア2内の方は、写真の方は、本当の
写真コンテストだが、人気コンテストの方は、宇宙船
パイオニア2内の、全部の人間(船内職員から一般市民、
それにハンターズ、当然であるがタイレル総督も含む。)
から、一番人気のある人物を選び、表彰するというもの。
そして、それに便乗した形で、タークス内部でも、各自
が写した写真のコンクールをやろうというものである。

その為、現在タークス社内において、カメラを携帯する
者が後を絶たない。
そこかしこで、誰かがカメラを構えている。
もっとも、タークス社内のでなく、パイオニア2内の
コンテストに応募する為に、写真を撮る物が大半では
あるが。

当然、サムスがこの話を黙って見過ごすはずが無く、
おりんさんに頼んで写真を撮ってもらい、自らも応募
していた。
実際、サムスは決して不美人という訳でもなく、どちら
かというと美人な方に入るので、ある程度の獲得票は
見込めそうであったが。

そんな折り、ウルフがラウンジで休憩を取っていると、
イルルがやって来た。

「隊長〜。」
「うん?どうした?」
(ウルフは、イルルと話す時だけ、社内でもアネゴに
なる。)

ウルフは、窓の外に向けていた視線を、イルルに移す。

「パイオニア2内の人気コンテスト、いよいよ締め切り
が近いッスよね。」
「そうだな。」
「所で質問なんスけど。」
「ん?何?」
「隊長は出ないんッスか?」
「私が?コンテストに?」
「そうッス。」
「私はね〜、そういうの興味無いし、あんまり参加人数
が多いと、票割れ起こすしね。それに・・・。」
「何ッスか?」
「1票も入らないと、かっこ悪いじゃない?」

ウルフはそう言うと、再び窓の外に視線を戻した。
そんなウルフを見ながら、イルルは思った。

(もったいないッスねえ。)

実際、ウルフはかなりイイ女だった。スラリとした長身
に、抜群のプロポーション。白で統一されたその見た目
も、実に美しかった。
もちろん、顔もかなりの美人である。

だが、本人にその意志が無い以上、無駄であった。

なお、意外な事に彼女が男性にモテた話は、聞いた事が
無かった。
その長身が災いしてか、どちらかと言うと、同性受けする
のである。
同性からは、ウルフの長身が凛々しく、かっこ良い女と
して見られるのである。

「そういや、男性の方はどうなんだろうねえ。」
「男の・・・ッスか?」
「そう。女性の方じゃなくて、男性側のね。」
「う〜ん、どうッスかね。」
「そうだ、イルル。」
「何ッスか?」
「あんた、出て見る気はない?」
「お、俺ッスか!?」
「そう。どうだい?」
「お、俺は遠慮しとくッス。そういう柄じゃ無いッス。」
「安心しろ、冗談だ。」

いきなり話を振られてしどろもどろのイルルに、ウルフは
窓の外を見ながら、さらりと言った。

「隊長〜、冗談きついッス。」
「悪い悪い。」
「でも、いいッスね〜、コンテスト。なんか、本当に俺も
出たくなったッス。」
「やめとけ。」
「あら。」

ウルフの一言で、イルルがコケる。

「隊長〜、何スか?さっきは出ろって言っといて。」
「冗談だ。好きにしたらいい。本当に出るというなら、
私が写真撮ってやる。」
「・・・やっぱやめとくッス。恥ずかしくなったッス。」
「ん、そうか?」
「うッス。んじゃ隊長、俺はこれから仕事があるので、
これで失礼するッス。」
「おう、またな。」

イルルはそう言うと、ラウンジを後にした。ウルフが
出ない事を、やっぱりもったいないと思いながら。

なお、イルルはウルフに対しては、恋愛感情を一切持って
いない。
純粋に先輩として親しみを持っているだけなのだ。

そのころ、オフィス内では、ラウドとアルフリートが
話していた。会話の内容は、やはり写真コンテストに
ついてだった。

「なあ、アルフリート。」
「なんだ?」
「俺もコンテストに応募してみよっかな〜、なんて思う
んだけど、アルフリートはどう思う?」
「どっちのだ?」
「そりゃお前、決まってるじゃないか。」
「うむ?」
「パイオニア2内の方だよ。」
「ふむ。で、お前、自分で出るつもりなのか?」
「当然じゃん。」
「・・・やめとけ。」

アルフリートは、ラウドの提案を、あっさりと却下する。

「なんでだよ〜、アルフリート。」
「お前、鏡見た事あるか?」
「あるよ、それくらい。」
「だったら、私の意見を聞く前に解るだろ?」
「チェッ、なんだよ、それ。」
「そのままの意見だがな。」
「あ〜あ、何だかんだ言っても、お前はいいよ。
ハンサムだからな。」
「フッ、まあそうひがむな。」
「ひがんでね〜よ!!」

ラウドが言う通り、アルフリードは文句無しの美青年で
あった。
そのうえ、185cm余りの長身に、均整の取れた体つきを
しており、見た目にも全く問題が無かった。

だが、やはり彼自身にも、コンテストへの応募の意志は
全く無かった。

ラウドは、

(いっその事、こいつをコンテストに出してやろうか。)

とも思ったが、応募したのがバレると後が恐い上に、
万が一、彼が表彰される事になったらシャクなので、
それはやめておいた。

その時、社長のサムスが、彼らの居るオフィスに姿を
見せた。

「あらあら、いつも2人で仲が良いのね、うらやましい事
だわね、ほほほ。」
「じ、冗談じゃない、誰が。」
「ただの腐れ縁ってやつだな。」

ラウドとアルフリートが、揃って反論する。

「おやまあ。」

サムスは、相変わらずのんびりとした口調で言う。が、
そのまま話を続ける。

「所で、急な仕事が入っちゃったのよぉ。お2人共、
ひまなら行ってくれないかしらぁ?」
「私は構わんぞ。」
「まあ、アルフリートが行くってんなら、俺も。」
「助かるわぁ。でも、今回は2人だけじゃ、ちょっと
危険なのよぉ、悪いけど、他に人も居ないし、ウルフ
ちゃんが戻るまで、待っててくれないかしらぁ?」
「私達2人だけでは不安だと?」
「そういう訳じゃあないんだけどぉ。」
「まあまあアルフリート。サムスもさ、仕事には万全を
期したいというだけなんだろうし、ウルフさんが一緒
なら、まず間違いないと思うよ?」
「まあ、そういう事よ。」
「ふむ、そんなら仕方ないな。」

そういう事で、ラウドとアルフリートは、サムスの
たっての願いで、ウルフを待つ事にしたのだった。


     「ある男の転落」第1話 了
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「ある男の転落」第2話
ウルフ [HomePage] [Mail]
12/21(Sat) 8:41
さて、そうこうするうちに、ウルフが休憩から戻って
来た。

「ウルフちゃ〜ん。」

それをいち早く見つけたサムスが手招きをする。

「何ですか?」
「休憩終わったばっかりで悪いんだけどぉ、急なお仕事
が入っちゃったのよぉ。行き先がちょっと危険そうで
不安があるから、一緒に行ってくれないかしらぁ?」
「いいですよ。」
「ほんと?助かるわぁ。」
「で、メンバー構成は?」
「この2人よぉ。」
「了解しました。」

そんな訳で、3人は装備を整えに、チェックルームへと
向かった。
その途中で、同じタークスの仲間と出会った。

「あれ、ウルフさんたち、どこ行くの?」
「おや、ジジちゃん。」

ジジと呼ばれたのは、フォニュエールだった。
見た目は人間(ヒューマン)の年齢で言うと10歳くらい
か。
ただ、人とは成長速度が違うニューマンの事なので、実際
の年齢は不明だ。

「これから急な仕事なんだよ。」

ラウドが答える。
すると、ジジが

「面白そう〜、私も一緒に行きたいなあ。」
「遊びに行くんじゃないんだぞ。」
「う〜、解ってるよ。でも、退屈なんだもん。」

アルフリートがたしなめるが、ジジは聞きそうにない。

「ね〜、お願い、一緒に行ってもいいでしょう?」
「これから行く所は危険なんだ。」

アルフリートが言っても、一向に引き下がる気配が無い。

「まあ、いいじゃないか、アルフリート。」

ラウドが割って入る。

「だが、しかしだな。」
「ウルフさんが一緒なんだし、平気だよ。」
「わあい、ラウドは優しいなあ。じゃ、決まりね。」

ジジはそう言うと、帽子についた白いポンポンを、
ピョコピョコと揺らしながら、一行の後をついて行く。

「どうなっても知らんぞ。」

アルフリートは、口ではそう言いつつも、何となくその
表情は、ほころんで見えた。

やがて4人は、仕事の目的地である密林エリアに入った。
文字通り、樹木が密生した、うっそうとした密林である。
だが、その樹木の間には、原色ギトギトの、どぎつい色の
花が咲いていたり、原始的な昆虫や、色鮮やかな鳥たちが
飛び回り、見ているだけなら、決してしばらくは退屈せず
にすみそうな景色が続いている。

好奇心旺盛なジジは、少しもじっとしている事が無く、
ウルフ達が一緒で無ければ、すぐにも迷子になってしまい
そうであった。

その時、一番前を歩いていたウルフが、エネミーの気配を
敏感に感じとった。

「来るよ!!」
「了解。」

すぐに4人は臨戦体制に入る。

「シフタ!」
「デバンド!」

ウルフがいつもの調子でテクニックを唱える。
が、

「む〜っ。」

ジジが頬をふくらませて、(文字通り)ふくれる。

「あ、ごめんごめん。」

今回はフォニュエールのジジが居たのだが、ウルフは
コロッと忘れていたのだった。

「じゃあ、次からはジジに任せるから。」
「はいです。」

ウルフはそう言うと、1人エネミーの真ん中に突っ込む。
だが、それは当然作戦だった。
エネミーを引き付けて、なるだけ部屋の入り口から遠ざけ
る。そして、エネミー全部が部屋の入り口側に背中を向け
た時、仲間が背後から一斉に攻撃を仕掛けるのである。

だが、これも最初にエネミーと接触する時だけであり、
次から次へとエネミーが現れる乱戦では、もう使えない。

「敵が多いなあ。サムスが、ウルフさんを待つ様に言った
理由が、これで解ったよ。」

ラウドが、ラストサバイバーと呼ばれる大剣を振り回し
ながら言った。

「だが、所詮はザコだ。」

アルフリートが、ブレイバスと言うハンドガンで、遠目
から、猿の化け物(ウル・ギボン)を狙い撃ちにする。

アルフリートは、間合いに応じて武器を使い分ける、
いわゆる

「オールレンジ・ファイター」

である。
だが、その為にいつも何種類かの武器を携帯する為、
たまに、古(いにしえ)の伝説の人物「ベンケイ」だと、
ラウドにからかわれている。

その時、空から、新しい蜂型のエネミー「ギー」が
現れた。ざっと影を見ただけでも5〜6匹は居るだろう、
かなりの数だ。
しかも、かなり素早い。
武器が大剣系のウルフとラウドは、素早い動きに、ともす
ると翻弄されてしまい、思う様に攻撃が当てられない。

アルフリートの周りにも、耳障りな羽音を立てながら、
ギーが、まるで獲物を狙う鮫の様に旋回をしている。
が、

「バシュウッ。」

という発射音とともに、ギーが空中で四散する。
器用な事に、アルフリートは、ギーに背中を向けたまま
で、自分の脇からブレイバスの銃口を向けて、背後の
ギーを撃ったのである。

(一回やって見たかった・・・。)

アルフリートはそう思いつつ、唇の端を吊り上げて
笑みを浮かべ、1人悦に浸る。だが、その瞬間、

「うぐ!?」

ピキーンと言う音と共に、アルフリートが氷の塊に
閉じ込められる。
いつの間にか現れた、「ゾル・ギボン」と呼ばれる
ウル・ギボンの上位種の猿の化け物が、アルフリートに
向けて冷気を吐いたのである。
だが、それも束の間、

「アンティ!」

ジジが状態異常を治すテクニック「アンティ」を唱えて、
アルフリートを覆う氷を、一瞬で溶かす。

「すまないな。」
「はいです。」

アルフリートは、一瞬の油断とは言え、無様な姿を晒した
事に、憤りを感じずにはいられなかった。
そして、さらに残念な事に、今の芸術的な背面撃ちを、
誰も見ていない事に少しがっかりした。

そうこうする間に、階段状に地面に段が連なる、開けた
ホールの様な場所に出た。

そこには、メリルリアという、直立歩行をする植物の
化け物が数体居たので、とりあえずそれらをなぎ払った。
すると、それらよりもはるかに巨大な花が現れた。

「こいつが親玉か?」

アルフリートが言った。
だが、一体どんな攻撃をしてくるのか、見当も付かない。
しかし、それ以外にも、新しいメリルリアが、かなりの数
出現した。
とても親玉だけに構っている余裕などない。
ハンターズ用携帯端末でチェックしたところ、この巨大な
花は「メリカロル」というらしい。

「あの親玉をやっつけないと。」
「だが、この雑魚共が邪魔だ。」

敵の出方が解らない以上、無闇に突っ込むのは危険だが、
こうしてても始まらない。
だが、厄介な事に、近づこうとすると、変な光線を出して
こちらを寄せつけようとしない。

「ええい、仕方が無い。」
「やるか?」

ウルフとアルフリートが、メリカロルに向かって突撃を
開始する。
ジジがテクニックで、上手いことルート上のメリルリアを
倒してくれたので、全力で走れば何とかなりそうだった。
だが、いきなりアルフリートのルート上に、新しい
メリルリアが、丁度彼を囲む様に現れた。

「くっ、しまった。」

アルフリートは、急いで別のルートを探したが、運悪く
メリカロルの怪光線を浴びてしまった。
ダメージ自体は大した事は無かったが、視界がグラグラ
と上下左右に激しく揺れて、安定しない。
まるで、大時化(しけ)の時に小船で海に乗り出した様
だ。

「こ、これは・・・。」

アルフリートは、自分の足元が、全く安定しないかの様
な錯覚に陥っていた。
これでは、間合いもへったくれもない。
アルフリートの異常を、素早く察知したジジが、またも
アンティをかけて、回復させる。
その間に、メリカロルに接近したウルフが、愛用の大剣
ドラゴンスレイヤーで斬りつける。
が、なんとこの花、ブレード状に変化した、自らの葉で
もって、斬り合いに反撃してくる。
ジジのテクニックによって、混乱から立ち直ったアルフ
リートが、斬り合いに加わろうとした時、今度はなんと
さらに驚く事に、花がアルフリート目掛けて、猛ダッシュ
(?)してくるではないか。

「なっ!?」

アルフリードが反応して飛び退く前に、花に牽かれて
しまった。

「ぐわっ。」

一撃でアルフリートは大ダメージを受けてしまう。
しかし、これもまた、ジジのテクニックにより、アルフ
リートの傷は、一瞬でたちまちのうちに癒されてしまう。

「お、おのれ・・・。」

大きいとはいえ、相手はたかが植物。その植物に、ここ
までコケにされて黙っている程、アルフリートは大人しい
男ではない。
幸い、それまでのウルフの攻撃により、すでにメリカロル
の体のあちこちは傷ついている。

「冥界への門は、汝の前に、今開かれん。」
「どおりゃ〜!!」

気合い一閃、アルフリートは、持っていた武器、ドラゴン
スレイヤーで、メリカロルを真っ二つに斬り裂く。

「はあ、はあ・・・。」

肩で息をするアルフリート。

「お見事。」

ラウドが言う。
が、アルフリートは、大物を仕留めたというのに、あまり
嬉しそうではない。
それもそのはず、たかが花の化け物にここまでされたと
あって、彼のプライドは深く傷ついていた。

「何とか倒したね。でも、残念だけど、今の仕事はこいつ
が目的じゃない。こいつはたまたま出会っただけだ。」

ウルフが言った。

「しかし、まだこんなのがウヨウヨ居ないだろうなあ。」

ラウドが言う。

「フッ、臆したか?ラウド。」
「いや、別に。こっちにはウルフさんが居るし。それに
ね・・・。」
「なんだ?」
「花に牽き逃げされた奴に、そう言われてもなあ。」
「な、なんだと!?」

いまや、アルフリートのプライドはずたずたであった。

「ラウド、今回ばかりは許さ〜ん!待てい!」
「うわ、アルフリート、タ、タンマ〜!」
「問答無用〜!」
「許せ〜、俺とお前の仲じゃないかあ〜!」
「聞く耳持たんわ〜、覚悟〜!!」

水しぶきをあげて追いかけあう2人。やがて数分後、
頭にたんこぶをボコボコにこさえたラウドが居た。

「ひでえなあ、親友じゃないか。」
「誰がだ!」

そんな2人を、離れて見ながら微笑む、ウルフとジジで
あった。

「ラウドさんのたんこぶ、レスタしましょうか?」
「いや、ほっとけば治るよ。」

そんなこんなで密林の探索は、まだまだ続くのであった。


     「ある男の転落」第2話 了
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「ある男の転落」第3話(最終話)
ウルフ [HomePage] [Mail]
12/21(Sat) 17:58
間が悪いというか、何をやってもツイてない日と
いうのは、あるものである。
今日のアルフリートが、まさにそれと言えよう。

ワナにかかって感電したり、ウル・ギボンの炎の
集中砲火に遭ったり、まるでパーティー内の不幸を、
1人でまとめてしょい込んでる様であった。

究極だったのは、10匹以上のエネミーと混戦状態の
時、エネミーと一緒に「ブリューナク」でウルフまで
なぎ払ってしまい、彼女の怒りの飛び蹴りをもらった
事だろう。

ただのミスならウルフも怒らなかったが、その時に
彼女の髪の毛を、少々ちょん切ってしまったのが、
まずかったのだ(後ろの束ねた部分を、少しかすめた
程度であったが)。

見た目にはさっぱり解らないレベルであったが、自分の
髪の毛を切られて、怒らない女性が居るだろうか。

そんな訳で、今日のアルフリートは、さんざんだった。
だが、さらに不幸な事に、彼の不運はこれだけでは
終わらなかった事だろう。

その後日・・・。

いつもの様に、アルフリートがタークスへ出社して来る
と、すれ違う社員(特に女子)が、彼を見てはクスクス
と笑うのである。
さっぱり訳が解らないアルフリートであったが、その疑問
はすぐに解けた。

その日は、

「タークス社内写真コンテスト」

の発表会であり、それまでの応募作品が展示されていた
のだが、その中に数枚、アルフリートが笑われる原因と
なる写真があったのだ。
その写真の題名には、

「凍る男」
「混乱する男」
「痺れる男」
   ・
   ・
   ・
などと題のついた写真があり、それらは全て、

「アルフリートが、敵の特殊攻撃で凍らされたり、混乱
したり、ワナで感電した瞬間などをを撮影したものだった
のだ。」

そして、極めつけは、

「タークスの美男美女」

と題された写真で、そこには、

「アルフリートがウルフに飛び蹴りをもらった瞬間が、
写し出されていた。」

しかもそれが、

「タークス社内写真コンテスト・最優秀作品」

となっていたのだ。
ちなみに、撮影者は・・・、

「ラウド」であった。

これを見たアルフリートは、自分の中に沸き上がる怒りを
抑える事が、さすがに出来なかった。

「許さん・・・。」

アルフリートは、今や怒りのオーラを全身にまとった、
阿修羅と化していた。
そばを通る者は、誰でも思わず飛び退き、彼の周囲の
半径1m以内には、その日誰も寄り付く者が無かった。

ちなみに同じ頃、ウルフもまた、ラウドを探して社内を
うろついていた。

例の写真のせいで、ウルフのイメージは台無しであった。

その日1日、ウルフとアルフリートはラウドを探して
タークス社内をうろうろしていた。

当事者のラウドは、あらかじめこうなる事を予想して、
自分の仕事のスケジュールを全て埋めており、しばらく
タークス社内に、その姿を見せる事は無かったという。

なお、

「パイオニア2内写真&人気コンテスト」

だが、人気投票の結果は、1位が

「タイレル総督」

だったそうだ。
軍の組織票で、無理やりそうしたとかしなかったとか。
なお、我らがサムスは、その次の「2位」であったが、
サムスが言うには、

「こんなおじさんが優勝したコンテストの2位だなんて、
嬉しくも何ともないわ。」

とぼやく事しきりだったらしい。

ちなみに、ほとぼりが冷めた(と思った)頃に顔を出した
ラウドがどうなったかは、その後定かではない。


    「ある男の転落」第3話(最終話) 了

       タークス小説第4弾 完結
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後書き
ウルフ [HomePage] [Mail]
12/21(Sat) 18:10
まず最初に、アルフリートにあやまっておきます。

「BBSで、いじめないでと言われたにも関わらず、
この様な役回りをさせて、ごめんなさい。」

ただ、ちょっと言い訳させてもらうなら、

「コメディというのは、真面目ぶった2枚目を、道化に
する所に、面白味があるものなのです。」

なお、アルフリートにもらったメールは、もちろん参考に
しています。
それに、今回彼は、それなりに目立つシーンもあるので、
とりあえずこれで勘弁願えないかと。

ちなみに私の小説は、これまでのも含めて、随所に
パロディをちりばめていますので、解る人だけ、ニヤリと
して下さい。

最後に、出演してくれたみんな、ありがとう。

それでは、後書きでした。
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Re:後書き
サムス・アラン [Mail]
12/24(Tue) 1:06
ラウドとアルフリートがすごい味だしてるわ…w最初のイル
ルも思いっきり下っ端ってかんじでまた…(笑)

…しっかし、とび蹴りやタイレル総督に票の入るコンテスト
で私ニ位って…喜んでいいのかしら、、、、w
レスをつける



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