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- ID戦隊PSOレンジャー外伝「運命の少女」設定編 - DAI [6/15(Sun) 6:44]
Re:ID戦隊PSOレンジャー外伝「運命の少女」第1話 - DAI [6/15(Sun) 7:04]
Re[2]:ID戦隊PSOレンジャー外伝「運命の少女」第2話 - DAI [6/16(Mon) 15:07]
Re[3]:ID戦隊PSOレンジャー外伝「運命の少女」第3話 - DAI [6/17(Tue) 15:54]
Re[4]:ID戦隊PSOレンジャー外伝「運命の少女」第4話の前に - DAI [6/18(Wed) 15:49]
Re[5]:ID戦隊PSOレンジャー外伝「運命の少女」第4話 α編 - DAI [6/18(Wed) 19:19]
Re[6]:ID戦隊PSOレンジャー外伝「運命の少女」第4話 β編 - DAI [6/19(Thr) 15:51]
Re[7]:ID戦隊PSOレンジャー外伝「運命の少女」第4話 γ編 - DAI [6/20(Fri) 19:23]
Re[8]:ID戦隊PSOレンジャー外伝「運命の少女」第5話 - DAI [6/21(Sat) 13:02]
Re[9]:ID戦隊PSOレンジャー外伝「運命の少女」第6話 - DAI [6/23(Mon) 9:59]
Re[10]:ID戦隊PSOレンジャー外伝「運命の少女」第7話 - DAI [6/24(Tue) 9:54]
Re[11]:ID戦隊PSOレンジャー外伝「運命の少女」第8話 - DAI [6/25(Wed) 10:51]
Re[12]:ID戦隊PSOレンジャー外伝「運命の少女」第9話 - DAI [8/20(Wed) 17:36]
Re[13]:ID戦隊PSOレンジャー外伝「運命の少女」第10話 - DAI [10/1(Wed) 11:58]
Re[14]:ID戦隊PSOレンジャー外伝「運命の少女」最終話 - DAI [10/1(Wed) 13:56]
Re[15]:ID戦隊PSOレンジャー外伝「運命の少女」エピローグ・・・そして・・ - DAI [10/14(Tue) 11:10]
投稿者削除 - ---- [10/15(Wed) 14:16]



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ID戦隊PSOレンジャー外伝「運命の少女」設定編
DAI [Mail]
6/15(Sun) 6:44
まず始めに・・私は文章は上手くないのでかなり見づらいと思いますし誤字、脱字もあると思いますが怒りを抑えてお読みください。
登場人物紹介

主役:ID戦隊PSOレンジャー
 
敵:BP団
 
敵のボス:サムス・アラン
 
PSOレンジャー総帥:R.O.D

PSOレンジャー試作機:Dark
 
謎の少女(?):リューネ
 
ボスとリューネさんに感謝しますw
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Re:ID戦隊PSOレンジャー外伝「運命の少女」第1話
DAI [Mail]
6/15(Sun) 7:04
これはPSOレンジャー行動記録から抹消された物語である。

その時もPSOレンジャーは戦っていた。
赤、オレンジ、白、空は前面で攻撃し緑、黄緑、は銃で後方から攻撃を掛け青、紫、ピンクは仲間の援護をしつつテクニックで敵を攻撃していた。
隊長の黄は攻撃しながらも仲間の状態と敵の状況を判断し仲間に伝えていた。
その時ピンクが視線の端に何かを捉えた・・・それは14〜5歳位の少女が倒れている姿だった。

「あんな所に人が!」

ピンクはすぐに近寄りその子を抱き起こした。
大丈夫、気絶しているだけだ・・しかしここにいてはこの子が非常に危険だ・・そう思った瞬間、ピンクに通信が入った。

「おまえはその子を連れて戦線から離脱しろ!」
PSOレンジャー総帥 R.O.Dがすぐさま指示を出した。

「了解」

ピンクはすぐさま子供を抱きかかえ基地への帰還テクニックを発動した。

「リード!」

その瞬間、ピンク達は光に包まれ次の瞬間にはその場から姿を消していた。この時助けた少女がこの後起こる壮絶な物語の鍵を握っていることはまだ誰も知らなかった。 つづく                                      
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Re[2]:ID戦隊PSOレンジャー外伝「運命の少女」第2話
DAI [Mail]
6/16(Mon) 15:07
PSOレンジャー総司令室(所在は不明)
その部屋でもひときわ大きい椅子に一人の男が座っていた。

「報告は以上です。これより帰還します。」

隊長の黄色が戦闘の報告を行っていた。

「了解した。ご苦労だったな」

「いえ、任務ですから」

黄色が通信を切った後、男は椅子に深々と腰掛け「ふー」と小さなため息をついた。

その男の名は、PSOレンジャー総帥 R.O.D (本名不明)

彼はかつて敵から”Return of DIE”と呼ばれていた。すなわち・・
敵が彼に出会ったら「撤退をするか」?「死を覚悟するか」?という所から彼の名が付いた。
それほど彼は、強かったのである。

「最近、”奴等”の行動が活発になって来ている・・・いったい何を企んでいる?」

一線を退いた彼は、その後も過去の功績からいろいろな場所からスカウトが来たがすべて断っていた。
しかしその彼がこのPSOレンジャー総帥の役職についたのは”奴等”の話を聞いたからである。

ここで説明して置こう・・”奴等”とは銀河犯罪組織 BF団である。
この組織はあらゆる犯罪の裏で糸を引いている巨大な組織で軍内部にも協力者がいると言われている。
しかしこの組織はかつてR.O.D達の活躍で一度壊滅したのだ。

だがその組織は新たなボスの元復活したのだ。
こちらも調査したがボスの素性はまったく不明だった・・ただ名前だけは判明した。
彼女?の名は、「サムス」 サムス・アランと言うらしい。
この名を聞いた時、R.O.Dは一瞬顔が驚きの表情を見せた。
そしてこの仕事を承諾したのである。

「まさか・・彼女か?・・・いや・・しかし・・」
R.O.Dはまさか彼女であるはずが無い・・たまたま同姓同名なだけだ・・と自分を説得した。
しかしこの後、彼は悪いことほど良く当たることを思い知ることとなる。

「そういえば助けた子供はどうした?」
R.O.Dの質問にオペレーターの一人が答えた。

「意識が回復したそうです」


PSOレンジャー緊急医療施設 特殊病棟301号室
ここに先ほどの少女が運ばれていた。

「う、う〜ん」

少女はゆっくりとまぶたを開けた。
しばらくぼーっとしたから天上が見慣れない光景であることに気付いた。

「え?」

あわてて起きて、辺りを見回すが自分が知っているものは何もなかった。

「ここ何処?」 

そう疑問を口にした時、不意に病室のドアが開いた。

少女はびっくりしていたが入ってきた人(?)は気にもせずに話をした。

「私はID戦隊PSOレンジャー隊長 YELLOWBOZE さっそくだが聞きたいことがある。なぜあの場所にいた?」

このアンドロイドの言葉に最初は目を丸くしていたが、段々と顔が歪み目に涙が溢れてきた。その顔は明らかに恐怖を感じていた。

「質問に答えて欲しいのだが・・?」

だが少女は涙を流しながらうつむいたまま黙ってしまった。

そんな時、隊長の後ろから一人の女性が出てきた。

「駄目ですよ隊長、子供を泣かしちゃ」

髪も肌も、そして服まで白い女性が隊長に少し怒った口調で言った。

「私は話を聞きに来ただけだ。この子が泣く理由は存在しない」

「この子、隊長が怖いんですよ」
と言うと女性は少女も目線に合わせて腰掛けた。

「こんにちわ」

女性の声に泣いていた少女が少し顔を上げる。

「私はWHITILL、白って呼んでね」
と笑って話掛けた。

すると少女は
「白・・姉ちゃん・・・?」
と細い声で言った。

「そうよ」
と白が笑い掛けると少女の涙が止まりようやく安心したのか笑みを浮かべた。

「あなたのお名前は?」

白が尋ねると少女は

「リューネ」

と答えた。

「そう、いい名前ね」

そう白が言うとリューネは満面の笑みを見せた。

しかしこの時、運命の歯車はリューネという少女を中心に回りだしていた。

つづく 
  
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Re[3]:ID戦隊PSOレンジャー外伝「運命の少女」第3話
DAI [Mail]
6/17(Tue) 15:54
あれから数日・・・

検査の結果、リューネの身体に異常は見られなかった。
しかし精神的なショックがあったのか、自分の名前以外の記憶を失っていた。

けれど性格だろうか、彼女は少しずつ持ち前の明るさと元気を取り戻していった。

リューネは特に白になついており、彼女の後ろについて施設内を歩いている。
白も妹が出来たかのようにとても喜んでいた。
他の所員達も彼女を暖かく見守っていた。
ただ一人、隊長を除いて・・・


「どうした?黄色?」

「総帥・・」

総帥が監視モニターの部屋に入ってきた。
隊長を”黄色”と呼べるのは総帥しかいない為、黄色は見るまでも無く総帥だと気付いた。

「まだ彼女を疑っているのか?」

総帥が尋ねると

「現在、判断を保留しています」

と黄色は答えた。

「彼女の身体には異常は無かったのだろ?」

「そこも気になるますが私としてはあの場所にいたことに疑問があります」

「あの場所?」

「はい、あの場所は普通の市民が入れる場所ではありません」

「たしかにな・・・・よし!では試してみるか?」

「なにか策が?」

「ああ」

そう言うと総帥は白を除くPSOレンジャーに集合命令を出した。


2時間後・・・・

作戦指令室にPSOレンジャー全員が集合していた。 白を除いて・・・

「なんかそういうのは気にいらねえ」

全身が赤いアンドロイドが抗議する。

「まあ そう言うな。あくまでも念の為だ」

総帥がなんとかなだめる。

「少しでもおかしな動きがあったら連絡してくれ」

「了解」

総帥が言うと全員が同時に返事をした。


少しして・・部屋のドアが開いた。

「遅くなりました」

と白が入ってきた。 そしてその後にリューネが少し怖がりながらも入ってきた。

「やあ よくきたね」

「・・・・・」

総帥が声を掛けるがリューネは怖がり、白のうしろに隠れてしまった。

総帥は笑いながら言った。

「怖がることは無いよ。私達は君と話がしたくてね、ここに来て貰ったんだ」

リューネは白のうしろでちらちらと回りを見ている。

「それに白の仲間も紹介しないとな」

「白姉ちゃんの・・仲間?」

そう言うとリューネは少し顔を出して更に回りを見た。

「まず、私はR.O.Dだ。一応この中で一番偉いぞ」

「前にも言ったがYELLOWBOZEだ」

総帥達は自己紹介を始めた。

「わたくし、VIRIDIAと申します」
緑のアンドロイドが丁寧に深々とお辞儀をした。リューネもつられてお辞儀をしてしまった。

「GREENNILL・・・」
ベレー帽を被った女性がぽつりといった。

「私はSKYLY
今度は青いアンドロイドが挨拶した。

「ふっ・・BLUEFULL」
青い服を着た男がちょっとキザ風に言った。

「私はPURPLENUM。よろしく美しいお嬢さん」
紫の男が紳士のような挨拶をした。

「わたちはーPINKALだっきゅ〜」
ピンクの女性?は、まるでリューネより子供っぽく挨拶した。

「俺は突撃隊長(自称)のREDRIAだ!!」
赤いアンドロイドが突然叫んだ為、リューネがびっくりしてしまった。

「オッス!オラORAN!」
オレンジの子供が元気よく挨拶した。

「最後の私、WHITILLよ」
白が言うとリューネはニコッと笑った。

「さあ今度は君の紹介を聞きたいな」

総帥が言うとリューネは白の前に出てきた。どうやら安心したらしい。

そして・・

「リューネです!よろしく!」

と元気に自己紹介をした。
もっとも名前しか記憶が無いので紹介が出来ないのだが・・

それから1時間ほどPSOレンジャーはリューネと雑談していた。
話をしている内にリューネも不安が消え、他の人と話をしたり、VIRIDIAの作ったお菓子をおいしそうに食べていた。

するとリューネが
「ねえ、白姉ちゃん。ここに来る時お花がいっぱいあったけどあれ何?」

と白に尋ねた。

「ああ、あれはプラントよ。見に行く?」

そう言うとリューネは大きく首を縦に振った。

「総帥」

「ああ、かまわんよ。リューネ君 またおいで」

リューネはウン!とうなずき手を振りながら白と共に部屋を出て行った。

「もし気付いたことがあれば後で報告してくれ」

「了解」

そう言って総帥は部屋を出た。


白とリューネはプラントに向かっていた。
リューネは白のわずか前を嬉しそうに歩いていた。

とその時、リューネの足がピタッと停止した。

「どうしたの?リューネ」

白の言葉にも全く反応しない・・

「リューネ!」

大きな声にも全く反応しない、目は虚ろになりながらも宙を見つめている。 そして・・

「来る」

「え?」

リューネの言葉を理解出来なかったので聞き直そうとした瞬間!

どおぉぉぉーーーーーーーーん

激しい爆発音と共に施設が激しく揺れた。

その揺れで白とリューネは壁に叩きつけられ気絶してしまった。



地下第3格納庫
先ほどの爆発はここで発生していた。
あたりは爆発で吹き飛び、壁には人が楽々通過できるほどの穴が開いていた。
すでに所員達が現場におり、消化作業を行っていた。

その時・・・

その穴の奥から音が聞こえた。

人が歩く音 

テンポを崩さない一定のリズムで歩く音が近づいてくる。

所員達の作業は止まり、皆 穴の奥を見ていた。

次第に穴に僅かに入っている光で音の主が姿を表し始めた。

それは女性だった。

整った顔、見事なスタイル、町を歩けば誰もが振り返るであろう美しい女性だった。

所員達が不思議そうに見ていると女性はこう言った。

「こーんばーんわw」

みんなが言葉を理解するより早く所員の一人の頭が撃ち抜かれた。

その女性は機械のように正確に、そして口元の笑みを浮かべながら所員の頭を撃ち抜いていった。

時間にして5秒足らずで10人の頭を同じ位置、角度で撃ち抜いていた。

「んふ・・・んふふふ・・・」

女性は笑いながら言った。

「さあ!始めるわよw」

そう言うと穴から無数の戦闘アンドロイドの駆動音が聞こえてきた。



時同じく、第13格納室
入り口には厳重に封印がされてある”開かずの間”である。
その中の”奴”は決して動かないようになっているはず・・・・・だがまるでこの機会を待っていたかのように極僅かにだが動き出していた。

つづく                             







































 
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Re[4]:ID戦隊PSOレンジャー外伝「運命の少女」第4話の前に
DAI [Mail]
6/18(Wed) 15:49
第4話では三つの物語が同時進行します。

α:ID戦隊PSOレンジャーVS戦闘アンドロイド+Dark


β:R.O.D VS サムス 過去の因縁とDark起動


γ:白とリューネ  リューネの力と白の苦悩


この三つは互いにリンクしておりそれぞれのキャラが別に話にも登場したりします。

お好きな話からどうぞw
(6/18現在 この三つの話がすべて完成していませんので順番に読むことになるかも・・・w)
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Re[5]:ID戦隊PSOレンジャー外伝「運命の少女」第4話 α編
DAI [Mail]
6/18(Wed) 19:19
突然の襲撃・・

所員達は混乱し、成す術も無く戦闘アンドロイドの攻撃に合っていた。


一方その頃
PSOレンジャー作戦会議室。

「どうなってんだよ!? 隊長!?」

赤が大声で隊長に怒鳴っていた。
しかし隊長は、冷静に一言・・

「今、情報が混乱している。総帥と連絡を取るのが先だ」

「もたもたしてたら仲間達が大勢死んじまうだろ!!」

赤は更に大声で隊長に抗議した。
その抗議に隊長も少し考え・・そして決断した。

「総帥と白に連絡が取れない・・私は総帥達を探索する。」
「PSOレンジャーは各自の判断で敵を殲滅せよ!」

「よっしゃぁぁぁーーーー!!」

隊長の言葉が終わる前に赤は部屋を飛び出していた。

「頼んだぞ」

「了解」

隊長の言葉に残り全員が揃えて返事をした。


第4区画 52番通路
ここでは警備員達がアンドロイドに対し攻撃を行っていた。
しかし警備員達の銃はこのアンドロイドの装甲にキズを付けることさえ出来なかった。

「お、おい全然聞かないぞ!?」

「あ・・あれはKIREEKタイプじゃないか?」

KRREEKタイプ・・それはかつて暴走し大勢の市民を虐殺したアンドロイドから取って付けられた名称である。
現在では製造禁止になりほとんど存在しなくなっていたはずなのだがBP団は密かに開発していたようである。

警備員達が恐怖を感じ逃げ出そうとした時、通路の反対側から雄たけびのような声が聞こえて来た。

「うおぉぉぉぉーーーー!!」

そして軽々と警備員達を飛び越え、アンドロイドに向かって行った。

「やめろ!それはKIREEKタイプだ・・ぞ」

警備員が叫び終わるより早くそいつはアンドロイドの顔を破壊していた。

「おまえ達は所員の誘導をしろ!こいつ等は俺達が倒す!!」

全身が赤いアンドロイドが言った。

「ここはPSOレンジャーに任せな!!」

警備員達はそのアンドロイドをよく知っていた。

「わっわかった、頼んだぞREDRIA!!」

「おう!」

そう言うと警備員は通路を走っていった。

「さぁーーーて!いっちょやるか!!」

そう言うと赤は大声で叫んだ。

「マグ!こい!!」

すると赤の後からものすごい速度である物体が飛んできた。
そのマグと呼ばれる物体は赤の背中ぎりぎりで停止しそのまま浮かんでいた。

「マグ!PBはどうだ?」

「PBゲージFULL
 PBゲージFULL」

「よし!!行くぜ!PBブースター!!」

そう叫ぶとマグは突如、赤の背中に合体しブースターに変形した。

「行っくぜぇぇぇ!!」

赤が足を少し地面から離すとブースターが起動し、もの凄い勢いで相手に突進して行った。


第3区画 12番通路

ここではVIRIDIAとSKYLYが戦っていた。

「切りがありませんわ」

緑はライフルで敵の頭を正確に撃ち抜いていく。

「たしかにね」

空もダガーで敵を倒しつつ同じ気持ちだった。

その時、マグの声が響いた。

「PBゲージFULL!!」

それを聞いた緑が言った。

「空さん!私の後ろに!」

空はすかさずジャンプし緑の後に降り立った。

緑がマグに言った。

「PBブラスト、ヘビーアームズ」

するとマグはいくつかに分離、緑の肩、胸、腰、腕、足、頭に合体した。

合体したパーツが開くと中には無数のミサイル、レーザーなどが満載されていた。

「では・・ごきげんよう」

そう言うと緑は敵に向けて全弾発射した。

打ち終える頃には敵の姿はどこにも無かった。


第13区画 格納室前 あの”開かずの間”の近くである。

ここでは青、紫、ピンクが応戦していた。

「なんかここ敵が多く無いか?」

「ふっ・・たしかにな」

「でも負けないっきゅ〜」

三人のテクニックを駆使してなんとか敵を殲滅することに成功した。

「やっと終わった」

「疲れたっきゅう〜」

「ふっ・・まだ終わってはいないぞ、早く他の奴の援護をしないとな」

「そうだったな。よし行くか」

そう言って立ち上がった時、三人はある気配を感じた。

とてつもなく邪悪な気配・・普通の人なら感じた瞬間、ショック死するかもしれないような感じだった。

そしてその気配の主が近づいてきた。

(赤?・・いや違う)

シルエットは赤に似ているがその気配は赤のものでは無かった。

やがて薄暗い照明の明かりでその姿がはっきりと確認出来た。

その体は黒・・いや漆黒と言うべきか
漆黒の中で目だけは鮮血の赤に染まっていた。

「貴様等がPSOレンジャーか・・」

漆黒のアンドロイドは青達に言った。
それと同時に横に浮いている物体も驚くほど流暢に言葉を発した。

「こいつら弱すぎるっぜ」


「おまえは一体、何者だ!」

ようやく気配に圧倒されながらも言葉を出すことが出来た。

しかしアンドロイドはその質問のは答えずにこう言った。

「おまえ達はあいつより強いのか?」

(あいつ?)

「あのR.O.Dとか言う奴より強いのかと聞いているんだよ?」

(なに!?)

「きっ貴様、総帥に何をした!」

すると横のマグが笑いながら答えた。

「くくく・・決まってんだろ! 叩きのめしたっぜ!!」

「馬鹿な奴だったぜ、このDarkに挑もうなんてな!!」

(Dark?)

その言葉を聞いて紫の怒りは頂点に達した。

「貴っ様あぁぁぁーー」

紫はありったけの力を込めてテクニックを放った。 しかし・・

「天、任せるぞ」

「おう、いただきだっぜ」

Darkが言うとその”天”が前に出てきた。
すると驚くことに天は口を開いてテクニックを吸収してしまった。

「どうだ?」

Darkが聞くと天は

「まったく駄目だっぜ。足しにもならないっぜ」

とがっかりした口調で言った。

紫は愕然とした。
自分の渾身に一撃が当たるどころか吸収されるとは思わなかったからである。

その時・・

「PBゲージFULL!!」

マグのPBが全開になった。

すると青が

「行くぞ!!」

と二人に叫んだ。

その言葉で二人はすぐに理解した。

三人はこの技独特の隊形をとりそれぞれのテクニックのチャージを開始した。

青はバータを

紫はフォイエを

ピンクはゾンデを

PBのエネルギーを使い通常の何十倍もの力をチャージしていく。 そして・・

「食らえ!!トライシューティング!!」

三人が同時にテクニックを発動し、合成することで相手を分子レベルで破壊する合体技である。

迫り来る合体技をDarkは片手で抑えた・・が抑えた手が次第に分解を始めていた。

それを見て三人は勝利を確信した・・・が次の瞬間、我が目を疑った。
そう・・分解していたのは技の効果では無くDarkの能力だったのである。

「メタモルフォーゼ!(形状変化)」

分解した手が次第に再生して行く。
更に体も分解し、別の姿へと再生して行った。
その姿は女性であった。
アンドロイドが完全に黒髪の女性へと姿を変化させた。

そして一言・・

「まだまだですわ」

その瞬間、まるでシャボン玉でも割るような動作で指でテクニックを破裂させたのである。

三人は衝撃に吹き飛ばされてしまった。

Darkは天に問い掛けた。

「出来る?」

「20%位ならOKだっぜ」

「それでいいわ」

「PB形態 起動」

するとDarkの右手と天が融合し、アームキャノンに姿を変えた。

「ブラックホールクラスター発射!」

撃ち出した砲弾は辺りの物体を吸い込みながら格納室をこの世から消し去ってしまった。

「あいつ等はどうする?だっぜ」

天が言うとDarkは

「別に気にしなくてもいいでしょう
 あの程度では私達は負けませんからね」

「・・・なんでその形態になると口調が変わるんだ?だっぜ」

「さあ?なんででしょうね?」

「とっとと元に戻るだっぜ」

「そうですね」

Darkと天は再び闇の中へ歩いていった。

「これからどうする?だっぜ」

「まだ我が力は完全では無い・・その時までラグオルの奴らにつかの間の平和って奴を味わってもらうさ・・・くくく」

「だっぜ」




数時間後・・・

三人は医務室にいた。

そこで彼等は悲しい事実を知ることになる。


                           つづく    
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Re[6]:ID戦隊PSOレンジャー外伝「運命の少女」第4話 β編
DAI [Mail]
6/19(Thr) 15:51
リューネ疑惑調査の後、部屋を出た総帥はある場所に来ていた。

人がまったく通らないさびれた通路の端に在る今は使用されてない通信室・・・・
部屋中がホコリを被っており、彼以外にこの部屋を訪れた者がいないことを照明していた。

総帥はこの部屋にいる時だけはすべての探知機能をOFFにしていた。
これは総帥という立場からすればとんでもないことだが、これだけは絶対に譲れなかった。

ここにいる時だけはPSOレンジャー総帥ではなく、一人の男として考えることがある時だからだ。
しかし今回の場合はそれが仇になってしまった。

突然の爆発! そして振動!
彼は直感的に地下からの爆発だと判断し、モニターのスイッチを入れた。
幸いにもこの部屋のモニターは生きており、地下にあるカメラの画像を鮮明に映し出した。

その時あるカメラの映像を見て、彼が驚愕した。
カメラ越しとはいえ・・・一番会ってはならない人物がそこにいたからだ。
彼女は次々に所員達の頭を撃ち抜いていく・・・しかも同じ位置、同じ角度で・・・とても人間技とは思えないことを彼女は平然とやっていたのである。

数秒後・・・・

回りの所員を全滅させると彼女はカメラを見つめた。
まるで彼が見ていることを知っているかのように・・・そしてカメラに向かって一言言った後、彼女はすごいスピードで姿を消した。

その言葉・・・もっとも音声は無いが唇を読んで言葉を理解した時、彼の目つきが変化していた。

彼は胸にある総帥の証、PSOレンジャーの紋章を剥ぎ取り、床に投げ捨てた。
その目はもう総帥の目ではなく一人の戦士・・すなわちReturn Of Dieの目になっていた。

部屋を立ち去る時、彼はもう一度だけ部屋の中を見た。
まるで最後の別れを告げるように・・・
別れを済ませると部屋に背を向け、ゆっくりと闇の中を歩いていった。


第13区画・・・
 
その通路を彼は歩いていた。
前には無数のアンドロイド軍団が立ちはだかる。
しかし彼はまったく気にすること無く、ゆっくりと歩みを進めていた。

その時、後から聞き覚えのある声が聞こえた。

「総帥!!」

総帥を探索していた黄色がこちらに向かって来ていた。

「止まれ!!」

「え?」

総帥の思わぬ言葉に戸惑いながらも黄色はとっさにその場に停止してしまった。

彼は停止したことを確認すると、再び敵に向かって歩いていった。

「総帥!危険で・・・・!」

黄色が言葉を言おうとしたが目の前の光景に言葉を失ってしまった。

アンドロイドが攻撃しようとした瞬間、彼は目にもとまらないスピードで手を動かした・・次の瞬間には敵の腕が切断されていたのである。

彼はまるで吹き抜ける風のように敵の間をすり抜けながら腕を動かすと敵はまるでただの人形のようになり、ガラガラと床に崩れていった。
4〜50体の敵が僅か5秒足らずで全滅してしまった。

その光景に黄色はアンドロイドでありながら”呆然”としてしまった。

「黄色!」

「はっはい」

彼の言葉で正気を取り戻しあわてて黄色は返事をした。

「他の隊員は?」

「現在、各判断で行動しています、白との連絡が取れないので私が探索していました。

黄色の報告を聞いて彼は言った。

「いい判断だ・・あとは頼む」

「総帥はどちらに?」

「私はもう総帥では無い・・・ただのR.O.Dだ」

「総帥・・・・」

「すまんな・・・私はどうしても行かねばならない」

「・・・・・・分かりました・・ただ一つだけお願いがあります」

「なんだ?」

「それが終わったら又、総帥として帰ってきたください」

「・・・・ああ、わかった・・約束しよう」

二人の会話が終わる頃、再びアンドロイドが大量にやって来た。

「ここは私がやります! 総帥は早く行ってください!」

黄色の言葉に彼は

「すまん・・・頼んだぞ」

(そしてさらばだ・・・・)

そう言い残して通路を走っていった。

「ここから先へは行かさん!!」

そう言うと黄色は銃を片手に敵に向かって行った。


第13格納室 通称"開かずの間”

その部屋の前に彼女はいた。

美しい顔、見事なスタイル・・・あの時となにも変わっていなかった。

「おひさ〜w」

「やはりおまえだったか・・・サムス」

彼女の挨拶も無視し、彼は改めて確認した・・彼女を・・・。

「せっかく久しぶりなのにずいぶんな態度ねw」

「なぜここにいる?」

「決まってるじゃな〜いの! ここにある物を貰う為よw」

「なぜここにある物の存在を知っている?」

「敵はね、外だけで無く、中にもいるってことよw」

「ここにある物は我々では制御など出来ん物だぞ!」

「やってみなくちゃわからないでしょ〜w 出来るかもしれないしw」

「これが一体何なのか判っているのか?」

「ええw PSOレンジャーのプロトタイプでしょ〜w」

「これはそんな単純な物では無い! この星を滅ぼしかねん物だぞ!」

「うわ〜いw ますます欲しくなっちゃったわ〜w」

「・・・・やはり戦わねばならないか・・・!!」

「私達の戦いに武器はいらないわねw」

そう言うと彼女・・サムスは銃を床に捨てた。

そして・・・

次の瞬間!!
 
二人の姿は消え、金属の激しくぶつかる音のみが聞こえる空間となった。
この二人のとって天地の差は全く無い。
お互いが四方八方から攻撃を仕掛け合っていた。

だがその光景を見ている"もの”がいた。

それは二人の速度を目で追いながら、にやりと笑っていた。

「こいつ等なら使えるっぜ」


時間にして10分位・・・

二人は動きを止め、互いの隙を見つけようとしていた。

「こんなことをして何になる」

「だって楽しいじゃな〜いw」

「楽しい?だと」

「そうよw前みたいに規則で縛られないし、監視もされないしw」

「おまえ・・・」

「私は自由になりたかったのよ〜w」

「だからと言って他を犠牲にしてもいいと言うのか?」

「そうよw  だからね・・これ!頂くわよw」

サムスの腕が細やかに振動すると同時に回りの物体がつられるように振動を開始した。

「やめろ!サムス!!」

「さあw ご開帳よ!!」

サムスは振動している腕を13格納室の扉に思いっきり叩きつけた。
扉は超振動により分子結合が崩壊し、まるで紙細工のように降り曲がり大きな穴を開けていた。

その中の"もの”を見てサムスは唖然とした。

「え〜!!何?あれ?」

その中の物はすでに朽ち果て、ただのガラクタになっているアンドロイドだった。

「あんなもの一体なんの役に立つってのよ!」

「GMSがなければこいつはただのガラクタだ」

「GMS?なによ?それ?」

「答える必要は・・・・無い!!」

彼は一瞬の隙を付き、サムスに攻撃をしかけようとした・・・がその時

「俺が教えてやるっぜ」

と子供の声がした。

ふと見るとそこには、一人の女の子が立っていた。

(なぜこんな所に子供が・・?)

「俺は天だっぜ!」

二人の思考より早くその子供は名乗った。

「じゃあ説明してやるっぜ!」

そう言うと子供は説明を始めようとした。

「おっおい」

彼が止めようとするが隙を見せる訳にはいかないので動くことが出来ない。
そんな彼を見て子供は笑いながら説明した。

「GMSってのは・・・・」

「マグにジェネレーターを装備してアンドロイドに遠隔供給するシステムだっぜ」

「そうするとアンドロイドには弱点は無くなり、しかも分子レベルでの変形、再生が可能となるっぜ」   

(分子レベルの再生だと・・・・!)

「まっまさか」

その質問を待っていたかのように子供は言った。

「そう! 俺がそのマグだっぜ!!」

すると子供の体が突然光だし、体が分解し始めた。

それと同時に後のアンドロイドも僅かに動きだした。

「さあ!見せてやるっぜ!Dark!起動だっぜ!!」

朽ち果てていた体が再生され、まるで新品の輝きを取り戻していく。

あの子供"天”も形を変えマグになっていった。

そして・・・・

「くくく・・・ようやく出れたぜ・・この辛気臭い場所からな・・」

そこにいたのは漆黒の体と深紅の目をしたアンドロイドだった。

「随分と遅かったなあ 天」

「この扉には苦労したっぜ!でもそこの奴がぶち壊してくれたおかげでなんとかなったっぜ」

「ほう、馬鹿とハサミは使い用ってことか」

二人が笑っているとR.O.Dが言った。

「サムス!逃げろ!」

「え?」

「こいつ等は俺達を殺す気だぞ!」

「私が負けると思っ・・・・・!」

次の瞬間にはサムスは壁にたたきつけられていた。

「ふん!人間がいい気になるんじゃねーよ」

Darkはほとんど力も出さずに腕を振っただけでサムスを吹き飛ばしたのだった。

「貴様ーーー!」

R.O.DはDarkに戦いを挑んだ。

Darkは言った。

「おもしれえ・・・来な!」

数分後・・・・

「総帥!!」

黄色が敵を殲滅し、格納室にやってきた。
そこで見たのもは、まさに悪夢だった。
歪んだ扉、地面の陥没、そして・・・・

「総帥!!!」

中央に総帥の胴体が倒れていた。
すでに両手、両足は無く胴体にも大きな穴が開いていた。

「黄・・・・い・・ろ・・・・か」

「!!」

「すま・・・んな・・・やく・・・そく・・・は・・・む・・りの・・よう・・だ」

「総帥!!」

「さ・・いご・・に・・これ・・を」

そう言うと胸のIDマークが開き、中からチップが出てきた。

「総帥!! これは!!」

「た・・・の・・・ん・・だ・・ぞ・・・・・・・・・・」

「!!」

「総帥!!総帥!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「総帥・・・・・・」

その時、床に雫が落ちた。

それは黄色の目から流れているようだった、おそらく冷却水だろう。

しかし今はその水に感謝していた。

自分の感情を出さない黄色が始めて叫んだ。

「総帥いぃぃぃぃーーーーーーーーーー!!」



数時間後・・・彼は医務室にいた。

そこで彼は悲しい事実を話さねばならなかった。


つづく
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Re[7]:ID戦隊PSOレンジャー外伝「運命の少女」第4話 γ編
DAI [Mail]
6/20(Fri) 19:23
そこは漆黒の闇だった。

何も見えない・・・・

何も聞こえない・・・・いや、何か聞こえる。

それは小さな音だった。

がそれは段々と大きくなり音ではなく、声であることが判断できた。

なんと言っているのだろう?

「・・・・・・・を・・」

「ラ・・・・を・・・」

「ラ・・・ル・・・・を・・」

「ラ・・オル・・達・・を」

「ラグオルのに・・ん達に・・を」

声は段々とボリュームを上げ、何を言っているのか少しずつわかって来た。

そして、その声が言っていることがはっきりとわかった。

「ラグオルの人間達に死を!」


それを聞いた瞬間、リューネは慌てて飛び起きた。

「・・・・・何・・今の・・・夢?・・」

そう考えていると横から突然、声を掛けられた。

「気が付いたようね」

突然の呼びかけに体が硬直してしまった・・が首だけをなんとか少しずつ横に向けていった。

そこにいたのはベレー帽を被った女性だった。

「あなたは確か・・・」

リューネはこの人物を知っていた・・当然である。
ほんの数時間前に会ったばかりなのだから・・

「GREENNILLさん?」

「そうよ」

「し・・白姉ちゃんは?」

リューネは思い出したように黄緑に尋ねた。

「白は今、オレンジといっしょに戦っているわ」

それを聞いてリューネは少しほっとした。

「私も行くからあなたはここを動かないでね」

そう言うと黄緑は自分の背丈よりも大きい銃を軽々と持ち上げ部屋を出て行った。

その頃、白とオレンジは・・・・

第6区画 プラント前

ここで二人は戦っていた。

白は両手のクローを装備し、アンドロイドを切り裂いていた。

オレンジは気功術を使い、アンドロイドを破壊して行った。

その時、白達の後方から銃声がした。
その銃弾はアンドロイドの頭を正確に撃ち抜いていった。

「黄緑!」

「リューネは?」

白が尋ねると黄緑は

「大丈夫、気が付いたわ」

と言った。

「そう、良かった」

「早く行ってあげなさい」

「ここは任せな!」

黄緑とオレンジは白に言った。

「・・・わかったわ お願いね」

「ええ」

「任せな!」

白はリューネの所へ向かった行った。

「さーて、一気に片付けますか」

「そうだな」

そう言うと同時にマグの声が響いた。

「PBブラスト、ジェノサイドライフル!!」

黄緑が言うとマグがライフルと合体、ライフルも変形を開始した。
ただでさえ大きい銃が更に大きさを増し、3メートルを超える巨大な長銃に変形した。

「PBブラスト、エネルギーナックル」

オレンジの方はマグが分離し、両方の手の甲に合体した。

「いつでもいいぜ」

「チャージ開始!」

黄緑とオレンジは共にチャージを開始した。

黄緑の銃は次第にうなりを上げ、銃口が光始めた。

オレンジは構えを取ると両方の手の間からエネルギー球が発生した。
それはどんどん大きくなり、やがて手で抑えつけてながらも更に力を高めて行った。

そして・・

「発射!!」

「神滅波ーーー!」

同時に発射した技は敵の体を一瞬で消滅させ、またたく間に全滅させてしまった。

「やったあ!!」

オレンジが飛び上がって喜ぶ。

「またメンテしないとね・・・」

黄緑は長銃をやさしく擦った。


その頃

白はリューネのいる部屋に辿り着いていた。

「リューネ」

「!・・・白姉ちゃん?」

そう言うとリューネは部屋の鍵を開けた。

ドアが開き、リューネが白に飛び込んで来た。

「怖かったよーー」

「もう大丈夫よ」

「白姉ちゃん・・・・」

「なに?」

「大好き!」

「私もよ」

そう言うと白は立ち上がり、リューネを立たせて部屋へ入ろうとした瞬間・・・

いきなりすごい衝撃で部屋の端まで吹き飛ばされてしまった。

「リューネ・・・・大丈夫・・・」

白がリューネに覆い被さるように体形をとりながら聞いた。

「うん・・大丈夫」

「そ・・う・・・良かった・・・・」

「?・・白姉ちゃん?」

リューネが不思議に思い、白を見ると背中に大火傷を負っていた。
服は焼け、白かった肌は赤黒く変色していた。

「!!・・・白姉ちゃん!」

白はすでに意識が無く、覆い被さる姿勢のまま気絶しかけていた。

更にその後にはアンドロイドがとどめを指そうと近づいていた。

「リューネ・・・逃げて・・・早く・・・」

白は意識が無くなり欠けていながらもリューネに言った。

しかしリューネはうつむき、涙を流しながら何かを言っていた。

「もういやだ・・・もういやだ・・・もういやだ・・・」

「もういやだあぁぁぁーーーーーーーー!!」

その時、リューネに変化が起こった。

まるで深い海のような鮮やかな青い髪が突然、烈火のような赤い髪に変化し、服が数字の配列を変えるかのごとく変化していった。

それはまるで"プログラムが書き換えられる”ような光景だった。

そしてその姿になった”リューネ”は口元に笑みを浮かべ、アンドロイドに手をかざした。

その瞬間、アンドロイドが突然折れ曲がり、まるで紙を丸めているかのように鉄の塊になっていった。

白はその後すぐに気絶してしまったが、気絶する直前に見た"リューネ”の目は前のようなやさしい目では無く、狂気に満ちた野獣の目だった。


数時間後

彼女は医務室にいた。

そこで悲しい事実とリューネへの疑惑をぶつけられることになる。
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Re[8]:ID戦隊PSOレンジャー外伝「運命の少女」第5話
DAI [Mail]
6/21(Sat) 13:02
あの爆発から数時間後・・

PSOレンジャーは全員、医務室に集合していた。

戦闘によるダメージは大きく、中でも白はかなりひどい傷を負っていた。

かれはPSOレンジャーは全員、アンドロイドと人口生命体で構成されている。
それ故に傷なども常人の数倍のスピードで回復が可能である。
その白があれだけの傷を負ったのだ・・・普通なら死んでいただろう。

青達は吹き飛ばされた時、赤に助けられた。
白は戦闘が終了したオレンジと黄緑に発見された。
そしてリューネは白の隣で気絶していた。

こうして全員、なんとか助かったのである・・・・一人を除いて・・・。

「まったく・・・なんなんだあいつは・・・」

「きゅ〜・・・トライシューティングが効かないなんて・・・・」

「ふ・・しかも夢でも無いらしいしな」

三人はとても信じられないといった表情をしていた。

「隊長、何か知らないのか?」

赤が先程から何も喋らない隊長に聞いた。
隊長は少し考え・・・そして説明した。

「あれはDark・・・・我々のプロトタイプだ」

「な・・なに!?」

全員が口を揃えるかの如く、同じセリフを言った。

「もっとも奴の技術の大半は封印されている・・・だから我々に受け継がれているのは極僅かだ」

「極僅かってなんだよ?」

「おまえ達が使用しているマグの基本はDarkのマグだ」

「そんなこと聞いてんじゃねーよ!!」

隊長の当て外れの答えに赤は激怒した。

「俺達はあんな悪魔を元に作られたのかって聞いてんだよ!!」

「そうだ」

「なんだと貴様あぁぁ!!」

「やめろ赤!!」

今にも隊長を殴ろうとしていた赤を全員で止める。

「赤!落ち着け!隊長を殴っても何にもならんだろ!」

「・・・・・ちくしょーーー!!」

そういって赤は辺りの物にあたり散らしていた。

「隊長、一つ質問です」

「・・・・なんだ?」

「隊長はどこでその情報を知ったのですか?」

空の質問に隊長はうつむきながら、ある物を取り出した。

「それは?」

「これは総帥のチップだ・・・・」

「チップって・・・・・そういえば総帥は?」

「総帥は・・・・・・」

「お・・おい・・まさか」

「総帥は・・・・Darkに殺された・・・・・」

その瞬間、まるで時が止まったかのように全員の動きが止まった。

「な・・なあ・・嘘だろ?・・・・まさか総帥が死ぬなんて・・なあ?」

「・・・・・・・・・・・」

赤の混乱した質問を隊長は答えずにうつむいたままだった。

全員はそのまま黙ってしまった。

「だが・・・」

突然、隊長が話始めた。

「総帥は我等に希望を託してくれた」

「このチップには総帥だ調べたDarkの情報が入っている」

「これがあればDarkを倒せるかもしれん」

「総帥の為にも我等はDarkを倒さねば・・・」

そう言うとなぜか全員が顔を上げた。

「そうだな!総帥の為にも!」

「ああ!!Darkを倒さねば!」

「総帥の思いとラグオルの為に!!」

「よっしゃあぁぁぁーーーーー!!やってやるぜ!!」

「このデータは後で全員に配布する・・・・頼んだぞ」

「了解」

全員が声を揃えて返事をした。

「それともう一つ、言っておくことがある」

隊長が全員に言った。

「あの子・・リューネだが彼女をこれから24時間体制で監視する」

その言葉に真っ先に反論したのは、白だった。

「なぜですか?隊長?」

「白!おまえ意識が・・・」

「なぜですか!?」

「あの子がスパイである可能性があるからだ」

隊長の言葉に白は・・・

「そんなはずありません!!」

「なぜそう言える?」

「あんなやさしい子がスパイだなんてことありません」

「敵が来る直前にリューネが察知したと報告を聞いたが・・・」

「そ・・・それは・・・」

「たしかに彼女がスパイという証拠は無い・・・だが違うという証拠も無い・・・」

「でもひど過ぎます!!」

「あくまでも念の為だ・・・わかってくれ」

「ううう・・・うう・・」

「リューネには私から話そう」

泣き出してしまった白を背にドアを開けようとした時、ドアの向こうに気配を感じた。

ドアのロックを外し、ドアを開けるとそこにはリューネがいた。

「あ・・・あの・・・白姉ちゃん・・・どうかな・・・・って思って・・・」

だがその目は涙で潤んでおり、明らかに今の会話を聞かれてしまったらしい。

「リューネ・・・さっきの話だが・・・」

「ごめんなさい!!」

隊長が言おうとした時、リューネは泣きながら走り出してしまった。

「リューネ!!」

白が追いかけようとするが意識は戻ったとはいえ、まだとても動けるような状態ではなかった。
そのまま倒れ、ベッドから落下してしまった。

「白!大丈夫か?」

「リューネーーーーーーー!!」

回りの言葉も聞こえずに白は大声で泣いていた。



リューネは泣きながら走っていた。
どこかもわからず走っていた。

そしてようやく走るのをやめた。
「ううう・・・・・白姉ちゃん・・・・・」

その場で泣いているリューネ・・・そんな時、声が聞こえた。

「さあ、ラグオルの人間に死を」

「だ・・誰?」

あわてて回りを見るが誰もいない。

「俺はおまえだ・・・おまえは俺だ・・・」

「な・・なにを言ってるの?」

「さあ、俺に代われ!!」

「いや!なにこれ?なんなの?」

「大切に人間に裏切られたな」

「!!」

「人間などそんなモノだ、そんなモノは生かす意味は無い!!」

「さあ、ラグオルの人間に死を!!」

「・・・・・・を・・」

「ラグオルの人間に死を!!」

「ラグオルの・・・・を」

「ラグオルの人間に死を!!!」

「ラグオルの人間に・・・死を!」

その時、リューネの体が変化を起こした。
そう・・・あの時と同じ・・・リューネの青くやさしい目が真っ赤な野獣の目へと変化していった。

皮肉にもこの場所はあの13格納室跡・・・運命の歯車は最終加速を開始していた。


つづく
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Re[9]:ID戦隊PSOレンジャー外伝「運命の少女」第6話
DAI [Mail]
6/23(Mon) 9:59
再び施設内に警報が鳴り響く。

「どうした?」

「だ・・第13格納室に異常発生!」

「あそこはもう稼動していないはずだぞ」

「し・・しかし、この反応は・・・」

所員達はありえない反応に困惑していた。

「いったい何が起きている?」

「重力係数が異常数値を出しています」

「な・・何!」

そのすぐ後・・すべての計器が使用不能になった。



「そうか・・・・」

隊長は連絡を聞き、状況を説明した。

「現在、第13格納室跡で異常が発生しているらしい」

「Darkか?」

「いや、わからない」

「もし、奴だったら必ず倒す!!」

赤はすでにDarkとの戦いを考えていた。

「ともかく出動だ・・・白は待機だ」

「え・・・どうしてですか?」

「まだ怪我が完治していない」

「それだけが理由ですか?」

「ああ、そうだ」

「了解・・・しました」

「・・・行くぞ!」

「了解!」

PSOレンジャーが部屋から出て行った・・・・白を残して・・・



第13格納室跡・・・・先程までDarkが眠っていた場所である。
ここで再び眠りから覚めた者がいた。

「着いたが・・・異常は無いようだが・・・」

「システムの誤作動か?」

「しかし・・・全システムが誤作動など・・・」

PSOレンジャーが辺りを奥に進むと感覚に優れたオレンジが気配を感じた。

「誰だ!!」

「よう・・・待ってたぜ」

そこには一人の人物がいた。

赤く邪悪な目、血を思わせる真っ赤な髪、そして炎を纏っているかのような赤い服を着た人物だった。

「誰だ!おまえは!」

「誰だって?・・・おいおい随分と薄情だな・・ついさっき泣かせたくせによ」

「泣かせた・・・・!」

「ま・・まさか・・おまえは!」

「そうだよ!俺はリューネだよ!」

「な・・・・」

全員が信じられなかった。
あれが・・・あのリューネなのか?と

「まあ・・あいつは不完全だったしな・・しかし俺が出てきたからにはプログラムを実行する」

「プログラム?・・・だと」

「そうだ!ラグオルから人間を消去する!」

「な・・なに!」

「くくく・・・おもしろいだろ?」

「そんなこと・・・させるかーーー!」

赤が"リューネ”に向かって行こうとしたが・・・

「赤?どうした?」

「な・・なんだこれは?・・・体が重い・・・」

そう言うと赤は地面に倒れてしまった。

「赤!」

それと同時に他の者にも異常なことが起きた。

「ぐわっ」

「な・・なんだ?」

「体が・・・・重い・・・」

「くっ」

「一体何が?」

一同の疑問に"リューネ”が答えた。

「俺の力さ」

「何!」

「俺の能力は重力制御だ・・・今は邪魔されたくないんでね・・そこで暫く倒れてな」

そう言うと"リューネ”は宙に浮き、上昇を始めた。

「ま・・待て」

「じゃあな」

"リューネ”の速度はまたたく間の加速し、次の瞬間には姿は見えなくなっていた。

それと同時に全員の異常重力が停止した。

「も・・元に戻ったか・・・」

「ああ・・」

「手も足も出なかった・・・」

「まさかあれがリューネとはな・・・」

「白になんて言えばいいんだ・・・」

全員が暗い気持ちでいると、緑が言った。

「まだ希望はあります」

全員が緑の方を向いた。

「先程、ナノサイズの発信機内臓の接着弾を命中させましたのでシステムが回復すれば追尾ができます」

「あの重力下でか?」

「あの異常重力はわたくし達のみをを限定して行われたもののようです・・ですから弾丸は影響はありませんでした」

「そうか・・・よくやってくれた」

「ありがとうございます」

「とりあえず、作戦会議室へ行くぞ・・対策を考えねばな」

「了解」

PSOレンジャーは対策を考える為、作戦会議室へ移動した。



数分後・・・

作戦会議室のドアを開けると中に一つの人影が見えた。

それは白だった。

「白!もう怪我はいいのか?」

「ええ、私は他の人より回復が早いから・・・」

たしかに白の背中の火傷は完全に回復しており、元の白い肌に戻っていた。

「白・・・」

「リューネのことですね」

「!・・・なぜそれを?」

隊長より先に白から出た言葉にみんなが驚きの表情を見せた。

「実は私・・・見たんです・・リューネが変わる所・・・」

「なぜ私に報告しなかった?」

「だって・・・言えるわけないじゃないですか・・・リューネが・・・・あんなになるなんて・・・」

「まあ、たしかにな」

「しかし彼女の目的が判った以上、阻止せねばならん」

「目的?」

「ああ・・ラグオルの人間を消去すると言っていた」

「!!」

「彼女の場所はシステムが回復次第、追尾出来る・・・」

「隊長!!」

突然、白が叫んだ。

「なんだ?白?」

「あまりに無茶なのは承知で言います!リューネを助けさせてください!」

「彼女はもうあの"リューネ”では無いかもしれんぞ」

「それでも・・・助けたいんです」

「出来ない場合は?」

「私がこの手で・・・・・」

「・・・・わかった」

「!!・・ありがとうございます」

「では作戦名を決める・・・作戦名は・・・リューネ救出作戦だ!」

「了解!」

「さっそく準備を始める・・・作戦開始だ!!」

ついに作戦が開始された・・・はたしてリューネの運命は?
そして作戦は成功するのか?      つづく
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Re[10]:ID戦隊PSOレンジャー外伝「運命の少女」第7話
DAI [Mail]
6/24(Tue) 9:54
数時間後・・・

彼等はある場所に来ていた。

ポイント23-5-10

そこはかつて巨大な海底研究施設のあった場所である。

無事、復帰したシステムで追尾した結果・・リューネの反応はここで途絶えてしまった。

その為、彼等はこの島へ手掛かりを探しに来たのだ。

「リューネの反応は?」

「・・・・駄目ですね・・ここにはかつてのジャミングがまだ残存しているようです」

「そうか・・・」

その時!上空から巨大な物体が突如、落下してきた。

「!! 全員散れ!!」

全員が咄嗟の判断でその物体を寸前の所で回避し、潰されるのはなんとか回避出来た。

「あいててて・・・」

「全員・・・大丈夫か?」

「ああ・・・」

「はい・・・」

「お・・・おい・・・あれ・・何だ?」

「ん?・・・・!!」

全員が落下した物体を見た。
それは異形の怪物だった・・・そしてその怪物の肩にある人物が座っていた。

「リューネ!!」

白は誰よりも早くリューネを見つけ、叫んだ。

「ようこそ・・・死に場所へ・・くくく」

「死に場所だと?」

「ああ・・ここはおまえ等の墓場だよ」

「なんだと!貴様!」

赤が飛び掛ろうとすると、怪物がすぐさま攻撃を仕掛けてきた。

「うわっ!!」

「ふふふ・・・こいつはオルガ・フロウって言ってね、かつてここで倒された実験体なんだ・・・だけど俺が残骸から復活させたのさ」

「オルガ・フロウ・・・だと」

隊長はその名前を聞いて総帥の言葉を思い出した。

「隊長! オルガ・フロウってなんだよ?」

「奴は・・・」

「まあ、精々ここで頑張って死んでくれ」

隊長の言葉より先にリューネが話すと、彼女は宙に浮き移動を開始した。

「リューネ!!」

白の叫びにも振り向かず、リューネは海底の施設へと向かっていった。

「おまえ達は早く行け!!ここは私が食い止める!!」

隊長は全員に命令した。

「何馬鹿なこと言ってるんだ?あんなデカイ奴をどうやって食い止める?」

「・・・そういえば見せたことが無かったな」

「?」

「来い!!マグ!!」

黄色が叫ぶと、空の彼方から轟音が響いた・・・と同時に地面が地響きを立て始めた。

そして・・黄色のマグが姿を表した。
それはマグと言うにはかなり大きい・・・と言うより戦闘機そのものだった・・・更に地面からはドリルタンクが出てきた。


「な・・・なんだこの戦闘機とタンクは・・・?」

「私のマグだが」

「へ?」

「行くぞ!!」

そう言うと隊長は天高く飛び、叫んだ。

「PB合体!G BOZE!!」

それと同時に隊長の両手、両足が折りたたまれ格納されていく・・・
戦闘機は二つに分離、変形し両腕の形になった。
ドリルタンクも二つに分離、変形し両足の形になった。

そしてそれぞれのパーツが隊長に合体し、巨大なアンドロイド(?)が完成した。

他の者はしばし呆気に取られていた・・・

「何をしている!!早く行け!!」

その言葉に我に返った隊員達は・・・

「た・・・隊長・・ではお願いします」

そう言って海底施設へ向かった行った。

しかし赤だけはまだその場に留まっていた。

「赤!何をしている!」

そう言うと赤は大声で叫んだ。

「帰ったら俺にもそれ作ってくれーーーーーーー!!!」

そう言うと赤もみんなの後を追って行った。

「ふっ・・・ああ帰ったらな」

隊長は意を決し、オルガ・フロウに向かって行った。



他の隊員達は施設内に入り、リューネの後を追っていた・・・が
通路の奥から足音が聞こえた・・・一人ではない・・・かなり大勢だ・・・又あのアンドロイドか?

しかしその姿を確認した時、全員が驚愕した・・・"それ”は自分達だった。
正確には自分と全く同じ連中がそこにいたのだ。

だがなぜか違和感があった・・・なんだ?・・・そうか・・一人足りない・・・
よく見ると白だけはそこに存在しなかった。

「白・・・おまえは先に行け」

「え?」

「あいつはおまえの会いたいんだよ」

「行ってやれ、そして助けて来い」

「わかったわ・・・ありがとう」

「行くぞ!!みんな!!」

白を除く全員はPBを発動させた。

「PBブースター!!」

「PBヘビーアームズ!」

「PBジェノサイドライフル!」

「PBフォトンブレイド!」

「PBスパイラルロッド!」

「PBマフシューター!」

「PBソウルカッター!」

「PBエネルギーナックル!」

それぞれが自分を相手に戦いを始める中、白はその中を抜けリューネの元に向かった。

 
そして・・・・

「よう・・・やっと来たか」

白は地下の巨大な空間でようやく会えた。

「リューネを返してもらうわ!」

「・・・まったく馬鹿だね〜・・・何度言えばわかるんだよ・・・あいつは俺だ・・・俺はあいつだ・・・返すも返さないもないんだよ!」

「いいえ!あなたはリューネなんかじゃない!・・・あなたはリューネの体を乗っ取った悪魔よ!」

「で・・・俺を追い出して、あいつを助けようってか?・・・・・やれるもんならやってみな!!」

「ええ!必ず助けて見せる!!」

白はリューネに向かっていった。


そしてある心の奥底・・・・

「し・・・ろ・・・・ね・・え・・・ちゃ・・・・・・・・」



つづく
 
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Re[11]:ID戦隊PSOレンジャー外伝「運命の少女」第8話
DAI [Mail]
6/25(Wed) 10:51
隊長はオルガ・フロウと戦いながらも総帥の言葉を思い出していた。

「オルガ・フロウ・・・・ですか?」

「ああ・・・知っているか?」

「いえ」

「かつて・・・まだラグオルに人が移住する前の話だ」

「そんなに前の話をしても私には理解できませんが・・・」

「まあ、そう言うな・・・この話はおまえにとっても少しは関係があることだ」

「私・・・がですか?」

「ああ・・・おまえだけで無く、このPSOレンジャーにも関係がある話だ」

総帥はそう言うと話を始めた。

「かつてこの星を見つけたパイオニア艦隊は移住を決意した・・・しかしこの惑星には凶暴な原生生物や異形の怪物が多く存在していた」

「そこで艦隊はこの惑星を調査する者を集めたんだ・・・それがハンターズだ」

「彼等は、ハンター・レンジャー・フォースという職種に別れていて任務遂行に関して最も最適な人選が可能だった」

「彼等は金の為、名誉の為、家族の為と様々な理由はあったが結果的にはラグオルを人の住める場所にしてくれた存在だった」

「・・・・・・もしやPSOレンジャーは・・・」

「そうだハンターズはPSOレンジャーの前身だ」

「今ではほとんど存在しなくなったが、私はおまえ達の中にハンターズのだった者達の誇りを受け継いでいると思っている」

「・・・総帥」

「どんな強敵が現れても、決して諦めるな・・・相手が神でもない限り必ず勝てる!」



「そう・・・・決して諦めない・・・・総帥の為に・・そしてラグオルの為に!」

「PBオーバードライブ!!」

隊長が叫ぶと同時に体が光を放ち始めた。

「ハイパーモード!!」

隊長の体は発した光を吸収し、黄金の体に変化した。

「はあぁぁぁぁぁーーーーー!!」

「セイント・アンド・ダークネス!!」

両手に光が集まり、とてつもないエネルギーが凝縮していった。

その時、オルガ・フロウが隊長に向かって突進してきた。

「!!・・・ならば!!」

隊長はオルガ・フロウの突進を止めると言った。

「俺と共に逝くか・・・・」

それと同時に蓄えられたエネルギーを開放した。

一瞬、辺りが真っ白になった。
そしてすさまじい轟音と爆風が辺り一面を駆け巡った。
その中心には巨大なクレーターが出来ており、二体の存在はどこにも無かった。



その頃、白を除く他の隊員達は自分との戦いに勝利していた。

「昔から偽者は弱いって言うけど、本当だったな」

「過去のデータから作成しているようなので当然でしょうね」

「さあ!白を助けに行こうぜ!!」

「残念だがそれは出来ん」

「!!・・・誰だ?」

「くくく・・・随分と眠っていたからな・・・どれ・・・少し動いて見るか・・・」

その瞬間・・・一筋の風が全員の横をかすめた・・・と同時に青、紫、ピンクが力無く倒れた。

「どうしたんだ?・・・!!」

三人からはかなりの出血が確認できた。

「くくく・・・少し手元が狂ったな・・・本来なら二つに分断していた所だ」

それは巨大な鎌を持ったアンドロイドだった。

「き・・・き・・・きっさまあぁぁぁーーーーーー!!!」

赤が相手に殴り掛かろうと前に出た瞬間、そいつは赤の前にいた。

「なっ!?」

「遅い!」

すかさず鎌を振りぬく。

赤も咄嗟に回避したが・・・・足元に何かが落ちた。
それは自分の腕であった・・・・それを見た時、赤は他の隊員に言った。

「みんな・・・三人を頼む・・・・こいつは俺がやる!」

「ほう・・・おまえが一人で俺に挑む気か?」

「ああ・・・そうだ!!」

「そういうのを無謀っていうんだぜ」

「無謀かどうかはやらなきゃわからんぜ!!」

「ふん・・・ただの馬鹿だな」

「早く三人を!!」

「わ・・わかった!!」

他の隊員達は倒れた三人を抱えて通路の奥へ消えて行った。

「へへ・・・これでようやく思いっきり暴れられるぜ」

「ふん・・・俺の一太刀も避けられん奴がなにを言うかと思えば・・・」

「別に避ける気も無かったからな」

「何?」

「俺もみんなに隠し事があったんだよな・・・」

そう言うと切断された腕を見た・・・そして・・・

「メタモルフォーゼ!!」

すると切られた腕が分子レベルで再生した。

「な!・・・馬鹿な!!」

「俺がDarkに似てるのは俺が奴を元に作られた試作型だからだ」

そして赤自体も形状を変化し、それの呼応するかのようにマグも形を変化させた。

鋭い爪、血のような赤い目、そして横に広がり羽状になったマグ・・・
それはまるで"悪魔”のような容姿であった。

「さあ・・・第2ラウンド開始だ・・・」

赤は先程と比べ物にならない速さでアンドロイドに向かって行った。

つづく
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Re[12]:ID戦隊PSOレンジャー外伝「運命の少女」第9話
DAI [Mail]
8/20(Wed) 17:36
赤のスピードの前にそのアンドロイドは全く身動きが出来なかった・・

気付いた時には手、足、そして体が二つに分断されていたのだ・・

「な・・・なニ・・・・きさマ・・・は・・・・・・」

そのままアンドロイドは機能を停止した。

「俺も・・・自分がよくわからないんだよ・・・・」

赤は誰に言うでもなく、小さくつぶやいた。

分子レベルの再生、変形能力・・・赤もこれに”気付いた”のはあの時からだった・・・・

それはあの医務室でのこと・・

隊長にチップのコピーを渡され、それを読み込んだ瞬間、赤だけが他の隊員とは違う画像が頭に入ってきたのだ。
それはどこかの研究室のようだった・・・中央にはあのDarkの”残骸”があった・・・
そして・・・・その背後には・・・「制御可能実験機1号」と書かれたアンドロイドがいた・・・

それが・・・・自分だった・・・

それを見た瞬間にまるで枷が外れたかのようにこの能力が起動したのだ。

他の隊員には言わなかった・・いや・・言えなかった・・・

自分もあの殺戮兵器と同じだと思われるのが耐えられなかった・・・

そして・・・仲間を失いたくなかった・・・・

突然、足から力が抜けた・・まるで糸が切れた操り人形のように床に倒れてしまった。

「や・・・やっぱり無理が・・・・あった・・か・・・・・・・」

赤に機能が停止したと同時に体の数箇所がまるで幻のように消えていった・・・

まるで元からそこには何もなかったかのように・・・


一方、白とリューネは巨大なドームを縦横無尽に駆け巡り、死闘を繰り広げていた。

白は流れるような動きでリューネを攻撃するがリューネはそれを紙一重で回避する・・・まるで最初からわかっているかのように・・・

「いい攻撃だな・・・どうだ、俺の部下にならないか?その方が"リューネ"も喜ぶと思うがな・・・くくく・・」

クローを寸前で避けながら余裕ともとれる口調で白に話し掛けて、反応を楽しんでるようだった。

白もその口調に僅かに反応し、一瞬動きが遅くなった・・・その瞬間・・・

「がはっ・・・・・・!!」

リューネが白の僅かな隙を突き、腹に拳を叩き付けた・・・
白は地面に倒れこみ、腹と口を押さえていた・・・

「がは・・・・げほ・・・げほ・・・・」

手の間から血が流れていた。

「ふん・・・やっぱりな・・・お前は"リューネ"の名を出せば必ず動きが止まると思ったが・・・ここまで簡単に出来るとは思わなかったぜ」

リューネは腹にダメージを当てた手を軽く振りながら白の姿を眺めていた。

「お前はその甘さが弱点なんだよ・・・人間でも無いお前に感情なんか必要ないだろう・・・・まあいいか・・・どうせ死ぬんだからな」

その言葉を聞いた時、白の迷いが決意に変わった。

白は立ち上がり・・・・呟いた・・・・

「マグ・・・来なさい・・・・」

すると白の真横にマグが突然、現れた・・・転送されて来たのだ。

まだ・・僅かに迷っていたが・・・決意が固まった。

(私がリューネを殺します)

あの時、隊長に言った言葉・・・・それを実行することになってしまった。

「PB・・・マインドデリーター・・・・発動」

すると白の頭にマグが装着され頭の左右に端子が取り付けられた。

「思考除去開始」

マグの音声と共に白に変化があった。
やさしく綺麗な目が光を失い・・・まるで無機質な物へと変化していった。

するとマグが言った。

「除去完了・・・あなたのターゲットを確認してください」

白は顔色一つ変えずに言った。

「ターゲット・・・・リューネ・・・排除します」

そう言ったと同時に白はリューネに攻撃を仕掛けた。


                         つづく
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Re[13]:ID戦隊PSOレンジャー外伝「運命の少女」第10話
DAI [Mail]
10/1(Wed) 11:58
白のマグ・・・マインドデリーターは他の隊員達のマグとは用途が異なる使い方をする。

他の隊員は能力を付加するが、白はその逆・・・消去する為のマグなのだ。

白は元々、生命体タイプの近接戦闘用に開発されたのだが成長過程での環境で優しい心を持ってしまいそれが原因で戦闘能力が低下してしまっていた。

そこで開発されたのが思考消去マグ「マインドデリーター」である。

白の脳にアクセスし、思考を無くすことで近接では赤並の戦闘能力を発揮する・・・そしてターゲットを容赦無く抹殺することが可能となった。

過去に一度、白はこれを使用して一つの町を全滅させたことがあった・・・この後、白は自殺をしようとして拘束されている・・・

その後、なんとか回復し現在に至っていたが・・・今、再びそれを使用することになってしまった。


「な・・なに・・・このスピード・・・こいつ・・・」

困惑したのはリューネだった・・・さっきはあんなに弱かった奴がいきなりこんなに強くなるとは思わなかったのだろう。

寸での所で避けてはいるがすこしずつ追い込まれていった。

白の攻撃は全く衰えず正確な機械のように繰り出されていた。

「く・・・これが・・こいつの・・・・力か・・・」

リューネはついに壁際まで追い詰められていた。

「!・・・しまった!」

そこに白がとどめを指そうとダガーを振りかぶった。

・・・・・・しかし、リューネにそれが突き刺さる音は聞こえなかった・・・

リューネにダガーが当たる寸前で手が止まっていた・・・そして・・その目からは涙が流れていた・・・

「リュー・・・・ネ」

白は呟いた・・・思考は完全に消去されていなかったのだ・・・その瞬間を見逃すリューネではなかった・・・リューネの手から出た光弾は白の胴体を貫通していた。

「ぐふ・・・・・・」

白はそのまま地面に墜落し、ほとんど動くことがなかった。

「くくく・・・全く・・・馬鹿だよな・・・あそこで刺せば倒せたのにな・・・所詮は出来そこないか・・・・じゃあ・・・・死ねよ!!」

リューネが光弾を放とうとした時・・・今度はリューネの動きが止まった・・・

「な・・なんだ・・・これは・・まさ・・か・・リューネが・・・」

(リューネ・・・貴様・・・今更何をする)

(白ねーちゃんを殺させはしない)

(貴様ごときに何が出来る)

(私もリューネなんだよ・・・能力をこう使うことも出来る!!)

リューネが放とうとした光弾が突然、その場で巨大化していった。

(貴様・・・死ぬ気か!!)

(もう・・・誰も傷つけたくない・・・それなら自分で・・・)

(や・・やめろ!!)

(さよなら・・・白ねーちゃん・・・)

そして・・・光弾はその場で爆発し・・・リューネは・・・その中に消えていった。

                              つづく
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Re[14]:ID戦隊PSOレンジャー外伝「運命の少女」最終話
DAI [Mail]
10/1(Wed) 13:56
遥か昔・・・ラグオルの制御は一つのシステムが行っていた。

しかし・・次第に新たな制御システムが開発され、この制御システムは使用されなくなっていった。

そのまま時が流れ・・・やがてそのシステムは感情を持つようにまでなった。

一つは「寂しい」という感情・・・もい一つは「憎い」という感情。

そしてその感情は二人の存在を作り上げた・・・・

「寂しい」という感情は青い目の女の子を作りだした。
「憎 い」という感情は赤い目の男を作りだした。

その感情は長い間眠っていたがあの事件(第1話)でシステムが再起動し、高分子ホログラムにより実体化したのが「リューネ」だった。

白に出会ったことで寂しさが開放されたことにより、憎しみを押さえつけていられなくなり・・・・あの「リューネ」も目覚めてしまった。

そしてこの戦いが始まってしまった・・・・・

「うぅ・・・・」

白はなんとか立ち上がって周りを確認した。

あの爆発の後・・どれ位たったのだろうか・・・・貫通しているが普通の体ではないのでなんとか立ち上げることが出来た。

ふと・・前に人影が見えた。

警戒した・・・あのリューネだったら勝ち目は無い・・・そう思ってたが・・・その姿を見た時・・・思わず涙がこぼれた。

「リューネ!」

白が叫んだ先・・そこには青い目のリューネが立っていた。

「白ねーちゃん・・・・ごめんね・・・うぅ・・・・・」

白は思わず走りだした・・そして抱きしめようとした・・・・が

次の瞬間・・・白はリューネの後にいた。

「・・・・・あれ?」

白はまるで理解出来なかった。

リューネは微動だにしなかった・・・いや、出来なかった・・・

「白ねーちゃん・・・ごめんね・・・こんなことになって・・・」

「いいのよ・・さぁ・・いっしょに帰りましょう」

「・・・・・ごめんね・・・出来ないの・・・・もう維持も出来なくなってるの・・・」

その時、リューネの体が歪んだ・・・白はそれを見て・・・全てを理解した・・

「白ねーちゃん・・・ありがとう・・・私に新しい感情をくれて・・・」

「新しい感情・・・・?」

「うん・・・それは・・嬉しさ・・・そして・・・勇気・・」

リューネは揺らめく体でそう言った。

「リューネ・・・・お別れは言わないわよ・・・」

「白ねーちゃん・・・・うん!」

白は涙を流しながらも笑ってリューネに言った。

「絶対・・また会おうね」

「う・・ん・・・また・・・ぜっ・・た・・・・い・・・・」

そしてリューネは薄くなり・・・・消えていった・・・・

それと同時に白は意識を失った。



意識が目覚めたのは医務室だった・・・これで2度目の医務室の天井だった。

目が覚めたと同時に周りから声が聞こえた。

「お!起きたか!!良かったな!!」

「まぁ!大丈夫でしょうか?」

声の主は赤を緑だった。

「他のみんなは?」

白は少し傷が痛んだが我慢して質問した。

「他のみんなはとりあえず大丈夫だ・・・隊長以外は・・・」

「隊長はどうしたの?」

「発見されないんだ・・・まだ・・・」

赤は悪いと思ったが質問した。

「その・・・・リューネは・・・お前が・・・?」

「・・・・・・・・リューネは・・・・最後まであのリューネだったよ・・・」

白はそうとだけ呟いた。

「そうか・・・・・」

赤もそれ以上言うことは無かった。

その時、ドアが開きオレンジが入ってきて叫んだ。

「隊長が見つかったぞ!!」

「本当か!!」

「すぐ行こう!!白!待っててくれ!!」

「ええ・・」

全員が部屋から出て一人になった時、声が聞こえたような気がした。

(白ねーちゃん・・・またね・・)

「またね・・・リューネ・・・」

白は静かに呟いた。




終わり
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Re[15]:ID戦隊PSOレンジャー外伝「運命の少女」エピローグ・・・そして・・
DAI [Mail]
10/14(Tue) 11:10
あの事件から2ヶ月が過ぎた・・・

この2ヶ月は正に怒涛の勢いで過ぎていった・・・

あの後・・・基地の修復、行方不明者の捜索、その他もろもろで皆、忙しい状態がつづいていた。

PSOレンジャーもいろいろな場所で手伝いを行っていた。
皮肉なことだがこのおかげでPSOレンジャーを不快に思っていた連中とも和解していった。

赤、空、オレンジは警備用ロボットの戦闘プログラム作成モデルと警備員への戦闘指導・・

緑、黄緑は銃火器の取り扱い指導、射撃指導・・・

紫、青、ピンクは新たな技の開発、フォース型兵器の開発スタッフ・・・

皆、それぞれに合った場所での手伝いを行っていた。

隊長はというと・・・・

この2ヶ月ずっと修理されていた・・なにしろ発見された時は80%以上が損壊しており修理出来るかわからない状態だったのだ。

だがようやく修理が終わり動けるようになったのだった。

そして・・・・白は・・・・

赤:「行くんだな・・・」

白:「ええ・・」

緑:「寂しくなりますわ・・・」

白:「ごめんね・・」

黄色:「白、わかってるとは思うがお前の行動にはかなりの制限がされる・・くれぐれも注意してくれ」

赤:「おいおい隊長・・・それが別れの・・・

黄色:「だが・・お前の部屋とIDはそのままにしておく・・・いつでも戻ってきていいぞ」

赤:「・・・・・・・・・・・・それを先に言ってくれよ」

白:「クスッ・・・はい・・・その時はよろしく」

赤:「またな!」

緑:「お待ちしていますよ」

黄緑:「またね」

空:「また会いましょう」

青:「フッ・・また会おう」

紫:「また会おうぜ・・子猫ちゃん」

ピンク:「またきゅ〜ね〜w」

オレンジ:「おう!またな」

黄色:「いつでも戻ってこい」

白:「はい・・・またいつの日か・・・」

そして白は旅立って行った・・・いつか・・あの子が帰ってくると信じて・・

そしてラグオルに平和が戻ったかのように思えた・・・・だが・・・




「ふう・・まさかあんなの出てくるとは思わなかったわぁ」

「だから軽い行動はやめろと言ったんだ」

「ああん 怒っちゃいやん」

「ふぅ・・まあいい・・・計画には乱れは無いからな・・・」

「そうね あの計画・・実行しないとね・・・」

「ああ・・・再びこの星を戦場に・・・な・・・・」




終わり?
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10/15(Wed) 14:16

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